ハーメルン
零戦の活動報告
第一話
2022年01月16日(日) 20:28




「そうか……今度は銀英伝の世界に転生したのか……」

 マサカズ・フォン・ミヨシが三好将和の記憶を思い出したのは15歳の時、帝国歴473年(宇宙歴782年)だった。まだ父親のマサノブ・フォン・ミヨシ伯爵は健在であるが母親は死別していた。マサカズが銀英伝の世界だと気付いたのは父親マサノブが私設艦隊の演習をする際に着た軍服だった。ちなみにこの時、マサカズは帝国士官学校の上級生だったが長期休暇で帰郷していたのだ。

(100パー帝国側です。ありがとうございます)

 そしてマサカズが最初に取った行動はミヨシ家にある書物ーー歴史書の確認であった。

「珍しいな?」
「たまには我が家の歴史を再確認するのも良いと思いまして……」
「ふむ、まぁ我が家は特殊だからな」

 マサノブの問いににマサカズはそう答え、マサノブは苦笑しつつ書物庫の鍵をマサカズに渡したのである。翌日、マサカズはメイドにコーヒーを入れてもらい早速ミヨシ家の歴史(地球からの)を紐解いていくのである。

 まずは地球時の歴史である。将和が死去してからの西暦2039年、色々とゴタゴタして二分勢力に分かれていた北方連合国家と三大陸連合(原作は合衆国)が13日間に渡る全面戦争に発展した。極東の日本国は三大陸連合側だったため北方連合国家からの攻撃をモロに受ける事になる。幸いにも熱核兵器の着弾は数ヶ所に留まったが死傷者は100万以上にも及んだ。更に地殻変動により大地震からの大津波により死傷者が1000万を越えたのである。
 なお、他の国々も似たような具合であった。両連合はほぼ壊滅したが日本は首脳陣らが無事だった事もあり早期の建て直しは容易であった。他の国々は原作と同じで90年は地球各地で戦乱が続いた。無論、日本に仕掛けてくる国もあったが日本は将和の血筋の者が総理だった事もあり乗り切る事に成功する。
 その後は地球統一政府が西暦2129年に設立した。この設立した時、皇室が密かに三好家と接触をしこう告げた。

「日本人の血筋を途絶えさせてはならない。如何なる手段を尽くしてでも守護してほしい」

 長きに渡る戦乱で滅んだ国々、滅んだ種族もあった事に皇室は気に止め三好家に命令したのである。この時、三好家は地球統一政府に協力する日本代表団も務めていた事もあり三好家は覚悟を決め命令を受理したのである。
 三好家は地球統一政府に協力する傍らで日本人の血筋を途絶えさせないように努力しつつ宇宙にその道を向けたのである。
 そして時はシリウス戦役まで移動する。この時、三好家ーー日本は漸く進出したばかりの惑星で植民を開始し人口を増やしている最中だったのだ。
 当初、BFFのフランクールは日本も地球統一政府側と認識していたが三好家はBFFの支援を表明し艦船及び燃料等を提供した事でパルムグレンらから評価を得る事でBFFとの戦争を回避した。
 その後、BFFが壊滅して一世紀近くの内乱が続いて漸く西暦2801年に銀河連邦が成立し暦も宇宙歴に変更された。
 その後、銀河連邦は再度の人類の範囲を拡げる事とし三好家(日本)も更に銀河系を彷徨うのであるが漸く宇宙歴123年にエックハルト星域に到達し植民を開始した。
 宇宙歴290年頃からルドルフと知古の仲になっていた三好家の嫡男はルドルフが宇宙歴296年に政界入りをすると大規模な支援を開始した。この時、嫡男は「恐らく奴の天下が来る。その時は日本も助かる道がある」と三好家当主に具申して三好家を挙げてルドルフを支援したのである。
 その後、宇宙歴310年にはルドルフが銀河帝国の樹立を宣言して皇帝となり暦も帝国歴に改暦となる。ルドルフの皇帝就任に尽力を尽くした三好家は嫡男が帝国歴7年、ルドルフにあるお願いをした。

「辺境星域でも構わないから日本人を残す事を許可してほしい。爵位もいらないし政治資金も提供する」

 嫡男はルドルフから伯爵の爵位を貰っていたがそれを返納、更に日本人を残すようルドルフに残っていた八割の個人資産(500億帝国マルクとも)をルドルフに渡して土下座をしたのである。ルドルフはその心意気に胸を打ち涙を流し感動をした。

「相分かった。少尉時代からの馴染みだ、そのように取り繕う。爵位も返納しなくて良い」

 ルドルフは辺境星域であり植民が開始されたアイゼンヘルツ・アイゼンフート星域を加えて更にエックハルト星域をミヨシ家ーー三好家ーーの領地とし日本人の定住の地とする事を認めたのである。ルドルフの命により三星域は手出し無用が内密に発布され貴族や軍の中では暗黙の了解となる。
 その後、ミヨシ家は400年近くにも渡り三星域を保有してきたのである。

「……そうきたかぁ……」

 5日間もの時間を費やしたマサカズはそう呟いた。皇室からの命令であれば三好家は動く。いや必ず動く。だからこそ皇室はそこに賭けたのだろう。まぁ全ての真相は闇の中であるが………。

「まぁルドルフが手出し無用と公言してるから貴族の宮廷陰謀に巻き込まれる事は無かったか……」

 読み終えたマサカズはメイドが新しく入れてくれたコーヒーを啜る。

「となると……何れは金髪の孺子が出てくるからそれの対処もしなければアカンか」

 マサカズは腕を組みながら思案する。

(目下の急務はエル・ファシルだよなぁ……ヤンを捕虜に此方側に入れ込むのが一番なんだけど……歴史作成とかやらしておけばいいか)

 原作でもヤンは歴史家希望だったので上手く説得出来れば……である。

「まぁ……なるようにしかないか……」

 そう呟くマサカズであった。そして翌年、マサカズは帝国士官学校を卒業すると少尉に任官する。少尉に任官したが異動はオーディンでの連絡 係等の雑務であったがマサカズは器用にこなしていき少尉に任官して翌年の帝国歴475年である。
 そして更に翌年の帝国歴476年、マサカズは実家に呼ばれた。

「いきなりの呼び出しなんて何事だ親父?」
「うむ……実はお前の嫁候補についてだが……」

 マサノブの言葉にマサカズは苦虫を潰した表情をする。

「それは前回も言ったじゃないか? 嫁は自分で決めると……」
「うむ。それは俺もそう思っていたのだが……是非にと乗り込んで来た娘がいてな」
「乗り込んで来た?」
「そうよ」

 ガチャリと扉を開く音がしてマサカズが振り返る。そして入り込んできた女性を見て目を見開いた。その女性はかつてマサカズが愛してやまない女性だったからである。
 なお、マサノブは女性が入ってきたのを見てコッソリと離脱した。

「久しぶり……ね、貴方?」
「……ゆ……夕夏……」
「えぇ……えぇ。貴方の夕夏よ」

 そして二人は数百年振りに抱きしめ合うのであった。










短いながらも第一話。主に歴史説明会になったがまぁ仕方ないかなと。
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2コメント
2022年01月16日(日) 15:42
黄金拍車

施設艦隊の演習
私設



>幸いにも熱核兵器の着弾は数ヶ所に留まったが死傷者は100万以上にも及んだ。
一都市の人口考えれば大分少ない被害だよな・・・

>なお、マサノブは女性が入ってきたのを見てコッソリと離脱した。
ナイス第六感、良い仕事してるw

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