作者:木下望太郎
英雄は地下迷宮に引きこもる。冒険は終わったはずだった――。
英雄ウォレスは仲間と共に、王女をさらった魔王を倒した。究極の迷宮、『喪失迷宮』の奥、地下六百五十四階で。さらに、隠された最深部に現れた、災厄をもたらす邪神。これをも地下七百二十四階で討ち果たした。
それが九年前のこと。
以来、ウォレスは一人引きこもる。喪失迷宮地下七百二十四階で。誰もウォレスの望む褒賞を与えられなかったから――さらなる敵と冒険を、という褒賞を――。
もはや地上に出ることはなく、無意味に地の底で魔物を狩り、酒を呑んでは酔い潰れ。ウォレスは無為に過ごしていた。
だがそこへ現れる、初恋の女性――死んだはずの。
彼女は生前のように奔放にウォレスをからかい、奇妙な依頼を残して去った。
彼女は死んだ彼女なのか? なぜ生きてここにいる? だいたい、並みの人間がやって来られるわけもない地下迷宮の底で。
彼女が残した依頼、そして地上から訪れた、かつての仲間がもたらした王宮からの依頼。それらは何か関係が?
終わってしまった冒険と、旅し尽くした迷宮と。
これから始まるのはその続きか、あるいは――。
~目次~
[1]次 最初 最後
◇第1話 英雄は引きこもる、迷宮の最奥に
◇第2話 皆によろしく
◇第3話 英雄だけが始まらない
◇第4話 十六の日と、あの女(ひと)と
◇第5話 覇王樹亭(サルーン・カクタス)
◇第6話 聖騎士ジェイナス
◇第7話 鍵のように、鍵のように
◇第8話 かつての仲間と
◇第9話 至極まともだ
◇第10話 帰ってきた者
◇第11話 麦酒(エール)は初めて?
◇第12話 一歩違えば夫婦(めおと)の仲
◇第13話 英雄と王女と、お見合いと怨み
◇第14話 迷宮
◇第15話 彼女を待とう
◇第16話 来なかった
◇第17話 酒はやめた
◇第18話 かつての仲間と待ち合わせ
◇第19話 扉の先には
◇第20話 酒をやめたのはやめた
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