作者:冬寂ましろ
私の心に流れたのと同じ初夏の風が、イーゼルの下に敷き詰めた新聞紙をざわめかしたとき、メグ姉はようやく筆を止めた――。
母の友人の娘であるメグミは、私、ハルカの面倒を子供の頃からよく見てくれた。画家である彼女は、生活に無頓着で逆にハルカがよく世話をするようになった。座り込んで彼女が絵を描いていく姿を眺めている。それがハルカの日常だった。
もうすぐ夏休みというとき、親友からいつもメグ姉のことばかり嬉しそうに話していると言われる。身に覚えがないとハルカぱ笑う。夏が勢いを増していくなか、メグミに1本の電話がかかる。フランスにいる先輩から「こっちで暮らして絵を描け」との誘いに、メグミは小躍りして喜ぶ。それを見てハルカはよくわからない感情で目の前が曇っていくのを覚える……。
~目次~
◇百合短編/焦燥は恋へと変わる
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