ハーメルン
【完結】テニスこそはセクニス以上のコミュニケーションだ(魔法先生ネギま×テニスの王子様)
第7話『テニスだけは負けねえ』
ただ、テニスのやり方を変えた。
それだけで超人的強さを発揮していた、楓とクーフェが振り回されることになった。
「アウト・ゲーム・ジャッカル・丸井ペア・2—3! チェンジコート!」
ただのチェンジオブペースで、相手のミスだけでスコアを追い上げてきた。
「こんなもんだろい」
「ああ。基本スイングもできてねえ。素質は超一流とはいえ、舐められたもんだぜ」
まだ1ゲーム負けてはいるが、完全に自分たちの思惑通りになっている。
丸井とジャッカルは笑みを浮かべて軽く互の拳をコツンとぶつけ合った。
「油断するな、二人共。追い上げているとはいえ、動きが悪すぎる」
ペースは握っていても、余裕がある状況ではないだろうと、幸村が念のため釘をさす。
だが、百戦錬磨の二人も、それぐらいのことは分かっている。
「当然だろい」
「んなもん、この夏に痛いほど分かった。高い授業料を払ってまでな」
何より、敗北の痛みを知っている二人だからこそ、油断がどれだけタチの悪いものかぐらい理解している。
「よし、ならばこのまま、勝ちにこだわるんだ」
「まかせろい」
「おう」
このまま一気に勝ちを手に入れる。
幸い、超人二人組の楓とクーフェも、ベンチに座りながらもその表情は冴えない。
「ん〜、困ったでござる。テニスとは難しい競技でござるな。パワーやスピードのみでなく、技術力が占める割合が大きい」
「う〜、思いっきりバコーンと打ち返したいアル! でも、アウトになるし、だからといって手を抜けば叩き込まれるし、ど
うすればいいアルか!?」
自分の方がパワーがある。スピードもある。身体能力もある。しかし、それで勝てるわけではない。
単純に、テニスの技術がない。それだけで、こうもいいようにやられてしまうものなのか?
楓は頭を悩ませ、クーフェはフラストレーションが溜まっていた。
「なんか、テニスって奥が深そう」
「せやなー、魔法世界でもあんなにすごかった二人が、テニスの世界やとこうなってまうんやなー」
「う〜、楓ー、負けんなー!」
「クー老師、負けないでください! あんたの負けるとこは見たくねえ!」
麻帆良ベンチ側も、形勢が既に逆転されていることを悟り、焦りの表情を浮かべながら二人に声援を送る。
だが、こればかりはテニス素人の彼女たちに単純な打開策が思い浮かぶはずなく、ただ時間だけが過ぎようとした。
しかし、その時だった。
「くっくっくっく、お困りのようだな〜、お前たち」
凶悪で妖艶な笑みを浮かべる一人の金髪ロリ娘が、途方に暮れる楓とクーフェの前に降りた。
「エヴァンジェリン殿!?」
「ぬぬ、どうしたアルか?」
「エヴァちゃん、どうしてそこにいるの!?」
「エヴァちゃん、試合中にコートに降りるのはダメだよー!」
少女の名はエヴァンジェリン。
「やかましい! それに、試合では一人ベンチコーチを置くことを許されているみたいだ。向こうの男どもも、ナヨっちい男を置いているだろう?」
見てくれは十歳程度の少女。
しかし、その正体は麻帆良最強、いや、世界最恐の一人に数えられる生きた伝説。
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