第1話 事前調査はしっかりしよう ~支援絵掲載場~
血管が切れるのではないかと逆に心配になるほど怒りを抑えた剛三郎に。
「その需要は一体なんなんだ?」
剛三郎自身が手掛ける軍事産業をあれだけ扱き下ろしたのだからよっぽどのものなんだろうなとその目が語っていた。
知らん、そんな事は俺の管轄外だ。などと言えればどれだけ楽だったかと神崎は考える。
だが現在の剛三郎の状態を鑑みるに当初用意していた人がいる限り途絶えることのない需要を持つ「医療」と言っても納得してもらえるかどうか不安であったため神崎は路線を変更することにした。
つまり「いずれわかるさ。……いずれな」作戦へと舵を切ったのである。
要ははぐらかした。
こうして面接が終わり自身以外がいなくなった社長室で剛三郎は神崎について考える――食えぬ男であったと。
今の軍事産業を超える需要に対して問いただしても明確な返答がなかったことから、ふざけているのかとも思ったが神崎と目があった時に感じた直感を剛三郎は無視できなかった。
幾度となく剛三郎の窮地を察知していた直感が警告を放つ――野放しにはしておけない。
剛三郎は笑う。面白い拾い物をしたと、その笑顔の裏の狂気をワシが飼いならしてやろうと息巻く。
その笑顔の裏は狂気などではなく、営業スマイルで必死に誤魔化そうとしていただけだったのだが……
その後、KCの社会的報復を「やっちまったな~」などと思いながら恐れていた神崎のもとに通知が届く。
その中身を見て男は絶望した。
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