第17話 全米チャンプ
キースと孔雀舞の攻防から違和感を感じ取った城之内は思わず遊戯に尋ねる。
「なあ遊戯……舞の方がキースの野郎のモンスターを倒しまくって有利なはずなのになんであんなに苦しそうなんだ?」
今現在フィールド及びライフアドバンテージは孔雀舞が優勢であるが孔雀舞の焦りの表情が城之内は引っかかる。
「今は舞さんが有利だけどそれは相手がほとんど攻めて来なかったからなんだ……でもキースはモンスターを途切れさせずに舞さんを守っていた《銀幕の鏡壁》を破壊した。ここから全米チャンプの全力の攻撃が始まるよ。舞さんはそれを警戒してるんだ」
その遊戯の答えと共にキースが大きく動き始める。
「俺様のターン、ドロー。まずはセットしていたカードをオープン! 永続罠《リビングデッドの呼び声》発動! コイツの効果で墓地のモンスター1体を特殊召喚だ! 甦れ! 《ブローバック・ドラゴン》!」
地面から土を払いのけ再び《ブローバック・ドラゴン》がその身を現し、全身を震わせ身体に付いた土を払う。
《ブローバック・ドラゴン》
星6 闇属性 機械族
攻2300 守1200
「そして効果発動! 対象はテメェのセットカードだ!」
セットカードに狙いを定め自動式拳銃の引き金を引こうとする。だが――
「甘いわ! その効果にチェーンして手札を1枚捨て罠カード《レインボー・ライフ》を発動! このターン自分はダメージを受ける時、代わりにその数値分だけライフポイントを回復する!」
孔雀舞のフィールド全てに虹がかかり、その後で《ブローバック・ドラゴン》の弾丸が《レインボー・ライフ》へ向け発射――されない。ハズレだったようだ。
「なら《スロットマシーンAM-7》! 《ハーピィ・レディ・SB》を撃ち抜きな! プラズマ・レーザー砲!!」
《スロットマシーンAM-7》は左手で自身に取り付けられたレバーを引き右手のレーザー砲のチャージを始めるも、そうはさせぬと《ハーピィ・レディ・SB》は鞭をレーザー砲に括り付け打たせまいと奮闘する。
だが《スロットマシーンAM-7》はレバーを引き終わった左手で鞭をつかみ《ハーピィ・レディ・SB》を地面に叩きつける。
それでも再度立ち上がろうとしている《ハーピィ・レディ・SB》だがその身はレーザー砲に貫かれた――左手はレーザー砲に添えるだけ。
「くっ! でも《レインボー・ライフ》の効果で回復するわ!」
孔雀舞LP:5000 → 5200
「だがフィールドの《ハーピィ・レディ》が減ったことで《ハーピィズペット竜》の能力はダウンだ!」
《ハーピィズペット竜》
攻2600 守3100
↓
攻2300 守2800
「そして《ブローバック・ドラゴン》で《ハーピィズペット竜》に特攻だ!」
「迎え撃ちなさい! 《ハーピィズペット竜》!」
確実に銃弾を当てるため距離を詰めに来る《ブローバック・ドラゴン》に《ハーピィズペット竜》の聖なる炎がその機械の身体を襲う。
だが威力の下がった炎では《ブローバック・ドラゴン》の歩みは止まらず、機械の龍は生身の龍にその身を激突させる。さらに逃がさないと言わんばかりにその金属の牙を《ハーピィズペット竜》に突き立て至近距離で頭部の自動式拳銃が火を噴く。
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