新章突入!天下一大武道大会だ
「カーシさん、パパどこにいるか知らない?今日は朝から稽古つけてくれるって言ってたのに、もう。」
サタンの溺愛するビーデルが頬を膨らませ可愛らしく怒りながらケーキを鷲掴みにして食べているカーシに尋ねていた。
この頃はよりサタンとカーシの蜜月ぶりに拍車がかかっていたため、カーシならば知っていると思い尋ねたのだった。
「サタンならいまギョーザマネーとかいうやつと話してるぞ。」
「ギョーザマネー?」
そう今サタンは新たに開催される天下一大武道大会の打ち合わせを行っていたのだ。
正確に言えば『ギョーサンマネー』という世界的な大富豪が、サタンの大ファンの息子の為にサタンを呼んで大会を開こうとしたのがことの始まりであった。
(忘れていたが、そういえばこの大会中にも大変なことが起こったんだよな、それも悟飯君達が何とかしてくれて、いつも通りわしが讃えられると。今回も良い機会だからカーシと話して、何とかしよう)
「どうしましたミスターサタン?」
「いやなんでもない。」
サタンは過去を回想し決心をつけた。セルゲームに続き天下一大武道大会でも皆をカーシと共に救うと。
ということで前回は金持ちの道楽かぐらいにしか考えていなかった天下一大武道大会を開くことに大いに賛同し、話を進めることになった。
――――
「こんちはー、悟空いるか?」
「ん、クリリンじゃねえか、久しぶりだな入れよ。」
時は経って約1週間、久々にクリリンがパオズ山の悟空の家に訪ねて来ていた。
「どうしたんだクリリン?」
「ああいい話があってよ、また天下一大武道大会とかいうのが開かれるんだってよ。」
「大?」
クリリンの口から出てきたのは聞いて久しい天下一武道大会であった。ただ中央に『大』という語が入っているが。それに悟空も気付き声に出したのだ。
「まあ主催者が違うってだけだよ。天下一武道大会と同じように考えてもいいと思うぜ。
久しぶりに開かれるっていうんでお前たち親子にも教えてやりたくてな。もちろん出るよな。」
「ああ、出てえのはやまやまなんだがな、チチが……」
悟空は言葉を濁し悩ましげな表情を浮かべる。
「ははは、そういうと思ったぜ。それにはいい案がある任せとけって。」
クリリンはそう自信ありげに胸を張ってチチの所に向かう。
「クリリンやめろ。殺されっぞ。」
悟空の制止の声も間に合わずクリリンは悟飯の部屋にいるチチに会いにいった。
悟空は中の声を聞くために耳を傾けた。
「ああクリリンじゃねえべか、久しぶりだなあ、どうしたんだ?」
「クリリンさんこんにちは。」
悟空と同じ対応のチチを見てクリリンは夫婦だな、いいなあと思いながらも、本題に入る。
「ダメだ。悟飯ちゃんの時間は無限にある訳じゃないんだ。諦めてくんろ。」
「あちゃ~。」部屋の中から怒鳴り声が聞こえたことにより、やはりなと悟空は諦めかけていた。
しかし、クリリンには必殺技があった。
「ちょっと耳を貸してください。実は……一億………温泉……」
「ほんとけ?」
「ええ」
なにか端々しか聞こえなかったが、チチが喜び出したのは分かった。
その時であった。
「悟空さ」
「うぎゃ」
「そんな壁にめり込んで何してるだ?」
急に力強く開け放たれるドアに、サイヤ人の反射神経を持ってしても避けられない悟空。凄い妻である。
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