天下一大武道大会に向けて、動き出す者達
「たたたたたあっ」
「遅いぞ悟飯。」
拳の連打を難なく避けた悟空は瞬時に悟飯の後ろに回り込む、
「そら」
「うわー」
そして流れるような体裁きで裏拳を悟飯の背に打ち込む、悟飯は避けることも叶わず、裏拳をまともに受け地上に落下した。
「いてててて。」
「でえ丈夫か悟飯。」
「はい、大丈夫です。」
空から降りてきた悟空は悟飯に声をかける。声をかけられた悟飯は恥ずかしそうに頭を掻きながら苦笑いを浮かべてばつが悪そうに答えた。
「おめえやっぱり体が相当鈍ってるぞ。」
「はい、自分でもそう思います。体が重く感じるんです。」
今天下一大武道大会目指して悟空と悟飯は組み手を行っていた。しかしながら、悟飯はセルゲーム以降、勉強、勉強、また勉強と勉強漬けであり、まったくといっていいほど体を動かしていなかった。そのつけが回ってきた状態である。
「まだ1週間あるぞ、少しずつ勘を取り返していくか。」
「はい。」
「じゃあそろそろ再開すっぞ。」
悟空と悟飯は空に舞い上がり再び戦い始める。
これから1週間パオズ山にはけたたましい戦闘音が鳴り響くのだった。
――――
パオズ山から遠く離れた西の都、カプセルコーポレーションでは…
「どうしたお前の力はこんなものか?」
「まだまだ、ハアッ」
重力室300Gの超重力のなかでありながらも、高速でぶつかり合うベジータとトランクス、その戦いは若干ベジータが押しているようだ。
「甘いぞ。たあっ」
「ぐはぁ。」
ベジータの情け容赦ない右ストレートがトランクスの腹をとらえていた。
「ふん、以前よりは強くはなっているがまだまだだな。」
「はあはあ(やはり父さんは強い)」
息を切らし話ができる状態ではないトランクスは再度自分の父の偉大さを身を持って感じていた。
ベジータとの修行は度を越した過酷さであり、誰が見ても地獄と形容するであろうものであった。
しかしトランクスにとってはそのような時間であっても、大変満たされ、幸せを噛み締めていた。これはトランクスがMだからというわけではない。
未来のトランクスは物心がつく頃にはベジータは亡くなっており、稽古をつけてもらったことなどなかった。
そのため、父と稽古をすることに大層な憧れがあった。それが今実現していることに、喜びを感じていたのだ。
「どうしたトランクス、もうギブアップか?」
「いえ、まだです。俺はサイヤ人の王子ベジータの息子ですから。」
トランクスは自信を持っていい放つ、言われたベジータも満更ではない表情を浮かべ、再び超重力下での戦闘が再開された。
どちらのサイヤ人の父親も戦闘に関しては容赦なかった。
――――
天界の一角では陽炎のように空間が揺らいでいた。
「す、すごいやピッコロさん。」
「ん、悟飯が伝えに来てからずっとこの状態。日に日に気強くなってく。」
ミスターポポが言っているように悟飯が天下一大武道大会の話をし、ピッコロも出場を決めてから、ピッコロは宙で座禅を組み、気を放出し続けていた。
それだけでなく、その放出される気が日を追うごとに強くなっていた。
これもピッコロも悟空や悟飯、ベジータにトランクスの出場する天下一大武道大会を待ち望んでいることが顕著に現れた結果である。
――――
またまたところかわってサタンシティーサタン邸
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