天下一武道会優勝とサタンの決意
サタンの表情が真剣であったからである。
いつものおちゃらけた雰囲気など微塵もないことから、カーシも何かを感じとり尋ねる。
「どうしたんだサタン?いつもと違うぞ。」
カーシの問いかけに、サタンは神妙な面持ちで話始める。
「カーシさんに頼みがあるんです。」
「なんだ。俺とサタンの仲じゃないか、何でも言え。」
カーシに掛けられた温かい言葉によって、サタンは覚悟を決める。
「わしを強くしてください。」
サタンは土下座をしてカーシに頼み始める。
「どうしたんだサタン。セルは俺が倒すからサタンは安心していいんだぞ。」
いつもと違うサタンにさすがのカーシもとまどりながらも、サタンを気遣い話をし、落ち着かせようと試みる。
「その件についてはカーシさんを全面に信頼してるからいいんです。問題が一つあるんです。」
「問題?」
サタンの言う問題とやらに全く検討もつかないカーシは聞き返す。
「セルゲームが始まる前に、悟空さんや、報道陣の前で瓦割りをしたんです。あの時は見せてやったと自信満々だったんですが、悟空さん達の力を知った今になって考えると恥ずかしくて恥ずかしくて。悟空さんが見ても、恥ずかしくないパフォーマンスをしたいんです。」
サタンは思いの丈の全てをカーシに包み隠さず打ち明けた。
「よし、明日からサタンを強くしてやるぞ。
セルとか言うやつにはかなわないが、クリリンやヤムチャぐらいになるぐらい鍛えてやるぞ。」
「本当ですか?」
カーシの提案に喜びを隠せずに聞き返した。
「うん。」
カーシは子供のような笑みを浮かべ、頷いた。
サタンはこの世界の修行というものを甘く見ていた。そしてクリリンやヤムチャがどれ程の苦行を乗り越えた末にあの力を手に入れたのであるかということを見にしみて味わうことになるのであった。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:2/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク