戦いは界王神界へ
戦禍に巻き込まれる前の界王神界は平和であった。
その場に居るのはカーシ、サタン、ピッコロ、悟天、トランクス、そして老界王神である。
老界王神は丁度ベジットに念話で指示を、ピッコロは水晶玉に写しだされた映像を手にあせ握り観戦している。
そんな最中、カーシ、サタン、悟天、トランクスは離れた場所で密談中である。
「でな、今おれが言ったことをして欲しいんだ」
「うん分かった」
「パパや兄ちゃんのためになるなら」
カーシの作戦に悟天とトランクスは素直に頷いている。
「これなら勝てますね」
サタンは口ではそう言ってはいるが心配そうである。
「大丈―――」
カーシがサタンに答えようとした時だった。
突然、二人が、ベジットと魔人ブウがなんの前触れもなくカーシの背後に現れた。
「ついたな。だりゃあ!」
ベジットは周りを見回し、界王神界にたどり着いたことを確認すると、右腕に刺さっている魔人ブウの顔面に左ストレートを叩き込む。
「グワッ!」
魔人ブウは遥か彼方に吹き飛び岩山に突っ込み、崩れた瓦礫に飲み込まれた。
「おっ、悟空…じゃなく、ベジットか」
「ああそうだ。界王神のじいさんにこのまま戦ったら地球が壊れるって言われたから、こちらに来たんだ。確かにこの星は頑丈だな。今魔人ブウが吹っ飛んだが、岩山が崩れただけだったからな」
カーシに答えながら、魔人ブウが吹っ飛んだ先に視線を送る。
「カーシ、悟天とトランクスを連れて離れていてくれ。今からここはとんでもない戦いの戦場となる」
「ああ、分かった」
ベジットは信頼した眼差しでカーシを見て頼むとカーシも了承する。
「ねえ、いいの僕たち離れても?」
悟天がカーシに首を傾げながら問いかける。
先ほど話し合っていた作戦について言っているのだろう。
「ああ、おれたちの作戦はもう少し先に必ず必要になる。それまで待っていてくれ」
「うん」
カーシはそう答え、悟天が納得して答えたので、ベジットに言われた通りにカーシは悟天、トランクスを抱え、サタンを背中に乗せ舞空術でかろうじて戦いを観戦できる場所に移動した。
カーシが降り立った所にキビト界王神がベジットから少し遅れて悟飯と青年トランクスを連れて界王神界に戻ってきた。
「よっ」
「あっ兄ちゃん!!」
カーシは三人に手を上げ挨拶し、悟天は悟飯に、トランクスは青年トランクスに飛び付き喜んでいる。
「どうですベジットさんは?」
「今から戦いが始まるところだ」
キビト界王神がカーシに尋ねる。
もうすっかり打ち解けている。
「そうですか。では私は御先祖様の所に―――」
「その必要はないぞ」
キビト界王神が話している腰を折るように、声がかけられる。
声がする方を見るとピッコロが老界王神を連れてその場にやって来ていた。
「御先祖様」
「無事だったようじゃな」
キビト界王神は老界王神と言葉を交わし、
「二人とも怪我は大丈夫か?」
「ええ、界王神様に助けて頂いたので、ただ悟飯さんはまだ心に……」
ピッコロの問いに青年トランクスが沈痛な表情で答える。
「ご、悟飯……」
「ピッコロさん…僕は大丈夫です。ビーデルさんもドラゴンボールがあれば大丈夫ですから…」
「そうだな」
気丈に悟飯はピッコロに心配をかけさせないために答えるが、やはりまだ立ち直りきってはいないようだ。
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