ハーメルン
古明地さとりは覚り妖怪である
depth.10さとりは臆病なのか

前世では物語として平安時代に書物化され伝承されるはずの物語が現実にあろうとなかろうとそんなことは世界にとって些細なことらしい。

今は昔、そう語られる時代を生きている私にとっては今は今、未来なんて知らない。若干良くなるように立ち回ろうかな程度の考えで行動する事がほとんど。
何が言いたいのかって言われれば、結末は結局同じなんだし大きな目で見れば私が何をしようと大体のことは世界の真理とかそう言うわけ分からんもんでどうにかかき消されちゃうんだよねってことで要するに…

「村を一つ襲っても問題ないですよね」

結局それを行うためだけの理由付けである。

(唐突だねえ…どうしたんだい?)


「いえ、ねえ…勝手ですけど家を作る資材を一から作るって時間と手間がかかるじゃないですか」

「そうねー…私はふわふわしてるから完成したら呼んで欲しいのだ」


いやいや、そう言うことじゃ無くてですね。

(要するに村の家に居候したいけどどう見てもそんなの不可能な面子だから家だけ貰おうって事でしょ)

「おお、大体合ってます」

「んー?なんて言ってるのかわからないのだー」

あ、分からなくて大丈夫ですよ。この件はこっちで対処するので。
問題は、都の近くで暴れてしまえば都から陰陽師達が飛んで来て大惨事になるって事なんですよね。

ここは上手く立ち回って家に居候……今出来ないって潰したばかりの選択肢だった。

「実質十数年くらいしか使わないような家なので別になんでもいいんですよね」

(じゃあ作った方がいいじゃん)

そうなんですけどね…いやあ〜丁度いいところに都の近くの集落に空き家ができたんですよ。なんででしょうね。

(……知らない)



「ま、私が住む家じゃ無いんですけどね」

そう言うとお燐がびっくりしてこっちを見る。
(え?どう言うことだい?)

「私はちょっと都の中に身を置きます。必要な情報が見つかれば直ぐに出ますんで気にしなくていいですよ」

お燐とルーミアさん…特にルーミアさんには無理な話だ。だってあそこは首都である。

一流の妖怪退治屋が大量にいるいわば敵地だ。

そこに連れてくなんて殺すと同じである。


「なので二人には待機していて欲しいんです。大丈夫です。頃合いを見て呼びますし定期的にそっちの家にも帰りますので」

「うーん…ついて来ちゃったのは私だし…分かったのだー。その代わり美味しいご飯待ってるのだー」

分かってます、お燐の事も頼みますよ。


お燐のことを頼み都に足を進める。

置いて行ってしまうことに罪悪感を感じていないわけではない。だがこっちの都合で死んでしまったらそれこそ計り知れない罪の責任を背負っていかなければならない。
結局私は臆病だった。













全幅70メートル以上の道の真ん中に立つと、なんだかすごい目立っているような気がしてしまう。
実際私のような不審者がいたら目立ってしまって仕方ないのだがまあこの際その事は置いておく。
お昼過ぎ…殆どの人は仕事してるか家にいるかの時間帯だ。妖怪だってこんな時間に人前には来ないだろう。普通なら…

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