ハーメルン
古明地さとりは覚り妖怪である
depth.12さとりは大変なのです

家に帰る頃に失った左腕以外はほぼ完治していた。

まあいつものことなのでルーミアさんは格別驚くこともなかった。
ルーミアさんは先に飛んでいってもよかったのですが、それを言ったらものすごく反対された。
なんでも私がまた何かやらかさないように見張ってるんだとか。

結局ちんたら歩いて1刻ほど経った頃、ようやく家に帰ることができた。
相変わらず背中がスースーします。

家の扉を開けて中に入るのが少しだけ憂鬱です。
それでも入らないと何も始まらないので扉を開ける。

「ただいま…ですかね?」

そろりと部屋に足を踏み入れた瞬間、何かが迫ってきて視界が塞がれ体が反転した。

「さとり!…よかった!」

お燐の歓喜に満ちた声を聞きようやく状況を理解した。
頭を上げてみれば胸に顔を埋めて泣きかけてるお燐が見える。

「…ただいま戻りました」

相変わらず私の表情は変わらない。

抱きついているお燐が落ち着くのを待ってから、ゆっくりと起き上がる。
片手だけでは体のバランスが取りづらいですね。

「さとり…腕、どうしたの?」

やや遅れて私のそばに寄ってきた輝夜が腕のことに気づく。

「ちょっと色々とありまして…そのうち生えてきますから大丈夫ですよ」

それを聞いて顔を伏せる輝夜。まあ何を考えているかは大体わかっているんですけどね。それをわざわざ指摘するなんて野暮ったいことはしません。

再び輝夜が顔を上げるが今度は何故か赤くなっている。はて?私の服があざといですか?露出はほぼ無いですから大丈夫のはず…
「とりあえず…服を着なさい」

「あ……」

輝夜の指摘にお燐も真っ赤になった。なんですか⁉︎なんで二人とも年頃の男の子見たいな感情を抱くんですか!
たかだか背中の部分が消失したただの服ですよ!

そりゃ左腕も無いですから右腕に引っかかってる分で前を覆い隠してるに過ぎませんけど……

「……とりあえず…家に入ろっか」

真っ赤になりながらもお燐が背中を押して家の中に連れて行く。

その様子をずっと窓から眺めていた永琳と目が合う。
一瞬殺気でも向けられるかと思ったが、私の予想は外れた。

体を調べるように軽くみた後何かを悟ったのか家の中に引っ込んでいった。





ルーミアさんは連れてきた半妖を布団に下ろして休憩中のようだ。
向こうも色々と疲れているのでしょう。今はそっとしておきますか。

「えっと…なんか集まっているようですけど…」

正直この後のことなんて自由にしてくれで終わりなんですけど。何故か私の元にみんな集まってしまっている。
一応サードアイは風呂敷で隠している。


「その前に…」

「その前にですね…さとり」

お燐と輝夜が何かを言いたげにこっちを睨む。

「なんでしょう?無理をし過ぎたことは謝りますけど…」

確かに無理をしたのは反省している。だがお燐達が言いたいことはそこではないみたいだ。

「そのことは良いんだよ次気をつけてくれればさ……」

「ええ…だけどさ…」


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