ハーメルン
古明地さとりは覚り妖怪である
番外編 時と空間って違うようで似ている 中

「おはようございます。あ、朝食ならもう出来ているようですよ」
そういえばエプロンつけっぱなしでしたね…外さないと……
「あ⋯⋯ありがとうございます。さとりさん、お料理や裁縫もできて凄いですね。なんというか⋯⋯良妻とかになれそうですね」

「良妻だなんて……妬み嫌われる能力を持つこの私なんか誰ももらってくれませんよ」
表に出てしまった眼を隠す。そもそも私は誰かに嫁ぐなんてことは出来ない。

「あ⋯⋯いえ。きっといつかは受け入れてくれる人ができますよ。
さて! 今日も異変探索ですかね。今日はどこへ行きましょうか」
地雷を踏んだと思ったのだろう。彼女はすぐに話題を変える。
「まずご飯を食べて身なりを整えてください」
せめて寝癖くらいは直して欲しい。後乱れてる服装も……
あ、面倒だったらこっちに着替えますか?
「服徹夜で作ったのですが……水着型普段着」
ビキニ水着のような露出の高い服ですが一応普段着で使うやつです。まあコスプレとかで良く見たことあるかもしれませんね。
「分かりました。⋯⋯お母様みたいです」
私が母親だなんてねえ……あれ、その服やはり変でした?
「って、もうそれ水着ですよね⁉︎でも夏に着たいと思いますので有り難く戴きますね。普段着としては申し訳ないですが着たくないです」
やはりそういう反応しますよね…でもそれ少し遊びすぎて壊れてるんですよ。
「弾水性ゼロですし冷水に浸かると溶けるんですけどね。まあそんな失敗作は置いておきまして、こっちが渡したいものです」
まあ本命はこっちですけど…あれはまあ…罰ゲームの時に着てもらえれば良いや。
近くの袋から取り出すのは、リボン型フリルをアクセントに取り付けた黒と、赤のラインが入ったスカートと同じく黒をベースにしたシャツただし単体で着れるようにデザインはシャツというよりドレスのような感じに仕上げている。それと赤いリボン
「え⋯⋯? あ、あの、本当に貰ってもいいのです? かなりの出来だと思いますけど」

「色々とお世話になっているお礼ですよ。受け取ってください」

「そ、そうですか⋯⋯。では、有り難く戴きますね。ありがとうございます、さとりさん」
やはりさん付けされると落ち着かない。
「普通にさとりって呼んでいただいて結構ですよ」
一瞬頰がつり上がった気がするけど気のせいだろう。
レナータさんの微笑みを見ているとなんだかこっちも嬉しくなって来る。
「⋯⋯はい、ありがとうございます。さとり。こうしてプレゼントを貰ったわけですし、元の世界までしっかりと案内しないといけませんね。では早速ご飯を食べ終えてから、向かいましょうか!」
「そうですね。行きましょうか」





咲夜さんと一緒に作った料理は好評だったらしい。ただし私が作ったとは公にはしていない。知っているのはレナータさんと咲夜さんくらいだ。
「さとりの料理も美味しかったです。また機会があれば作ってほしいくらい⋯⋯。あ、今日はどこへ向かいます? 正直これといったあてはありませんが⋯⋯」
正直、私が転移した以外で異変と思しきものが発生しているかどうかを調べたいので情報が集まりやすいところに行きたいですね。
「そうですね……行くとしたら人里ですかね。あそこなら情報もかなり集まっていそうですけれど」
妖怪も何人かいるわけだからそっち側の情報もある程度は入る筈だ。後観光したい。

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