ハーメルン
古明地さとりは覚り妖怪である
depth4.だからさとりは危ない

目が再生してから半日経ったころようやく猫が帰ってきた。

というより寝ているところを踏まれた。

「お腹の上に乗らないでください」

(寝てるからだろう。全く…あたいがせっかく行ったのにさとりは何やってんだい)

別にいいではないですか。どうせ目が治るまであのままだったんですから。
とまあ…適当な言い訳を考えつつ猫をお腹の上から下ろす。

「それで…みてきたんですよね」

(当たり前じゃないか!それ相応の対価を払ってもらうんだからそれくらいしないとだよ!)

あはは…じゃあとびきりのを作らないとですね。


上体を起こし猫を膝の上に乗せる。

具体的な方法はだいぶ前に試験した時に言ってあるので大丈夫なはずである。
少なくとも猫に関していえば全く問題ない。
服の中から普段は隠してあるサードアイのコードを引っ張ってくる。コード自体は出しても出さなくてもいいが今回の場合服の中では厄介な事になるかもしれないので出しておく。
サードアイが振り向いた猫の目をの覗き込むように見やる。

「…想起」

今回はただ思考を読むのではなくその生物の見てきた記憶を読み取る必要がある。それも長時間にわたっての分だ。

普段は半目のサードアイが大きく見開き怪しく光る。
本来は一瞬のトラウマを引き出すだけの力。今回はそれの応用だ。

ただし情報量が多いのでどんな反応を起こすかは全くわからない。未知の状態だ。

怪しく光った直後から猫が体験してきた記憶が管を伝って脳に流れ込む。
視界の一部に猫の体験した方の視界が重なるように入り込む。視界だけではなく嗅覚、聴覚、の感覚全てに記憶の方の体験が入り込み入りそれぞれの器官を刺激する。

まだ…問題はない。途中で少女に後ろから鷲掴みにされるあたりでわき腹に不意に刺激が走り思わず身体が反応してしまう。これは不意打ちすぎる


霍青娥が言っていたお寺に入るところまで一気に遡る。

一瞬意識が飛びかける感覚に襲われ次の瞬間、今度は真下に叩きつけられる。
記憶を一気に跳躍した感じに遡ったようだ。

ここから一気に記憶を読み取り頭に覚えこましていくのを始める。
一回深呼吸。慣れないことへの不安を抑え込む。こう言うのはかなり心理面での影響が大きい。
ここで不安ばっかり考えてたら絶対に失敗するだろう。

気が落ち着いたところで記憶の再生を開始。サードアイ経由で管から何かが入ってくる。それが実体のあるものか、はたまた幻の感覚であるのかはわからない。実際にはただ血液の流れを感じ取ってるだけなのかもしれないし何かが流れているのかもしれない。

ただそれを探ろうとするのは意味がないし私自身自分の能力が好きではないからやる気もない。

今知るべきことは情報を知る事である。



寺に入って…成る程…床下への侵入経路もしっかり探ってますね。


……望み通り隠れやすいところを色々見てきたようだ。本当に助かる。
もう名前つけようかな…この猫そろそろ妖怪化して来てますし…とか思ってるって事は今はどうでもいい与太話だ。

今はただ無言で能力を使いその時の記憶と思考を全力で読み取っていく。


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