第016話 体術スキルを取ろう
次の日は予定通り、アスナとリズベットは街の探索へ、
ハチマンは……一日ごろごろして過ごす……つもりだったのだが、
「この世界には娯楽がない……せめて本でもあれば……」
一日寝て過ごしても良かったのだが、さすがに何もない状態だときつかったのか、
ハチマンは予定を変えて外出する事にした。
折しもアスナから明日どうしようかと連絡があったので、
そのままハチマンも、アスナとリズベットと合流する事にした。
「何か面白いものでもあったか?」
「全体としてはそこまで真新しいものはなかったかな?」
「そうだねリズ。あ、あれなんだろう」
アスナは何かに興味を引かれたのか、露天の方に、走っていった。
ハチマンとリズベットもそちらに向かったが、
ちょうどいい機会だと思い、ハチマンはリズベットに、
昨日はどうだったかと尋ねてみる事にした。
「やっぱ犠牲が出た事にショック受けてたみたいだから、
詳しい話は聞かずに明るい会話中心に話しといたよ」
「そか、ありがとな」
「攻略の話で聞いたのは、三人パーティで頑張った、程度かな」
「まあ、そんな感じだな」
「アスナが言ってたんだけど、戦闘が終わった後の話し合いで、
ハチマン君が極力人の名前を言わないように気をつけてたから、
攻略関係で今後どんな事があるかわからないし、
アスナも普段は極力前線の人の名前とか出さないように気をつける事にしたっぽいよ」
(まあ前線だとこれからも色々あるだろうしな……
しかしなんだかんだ色々観察してるんだよな、アスナの奴。
キリトの名前くらい出してもいいと思うが、ま、今度紹介する機会があった時でいいか)
「ハチマン君、リズ、こっち~」
「あいよ」
アスナが早く早く、という感じで手を振ってきたので、
二人は小走りでアスナの方へと向かった。
「新しい層に着いたわけだが、二人は今後の事とかなんか考えてるのか?」
「私はあんまりかわらないかなーまだ鍛治関係でも出来る事少ないし。
ちょこちょこ素材目当てで探索しながら鍛治スキルとレベル上げてく感じ」
「私は武器をもうちょっと強化して、普通にレベル上げかな」
「それじゃ、しばらくはレベル上げ優先だな」
「攻略ペースも上がりそうだしね」
「それじゃ明日様子見がてらレベル上げと素材集めにでも行ってみるか」
「そうだねー二人が良ければ」
「私はもちろん問題ないよ、リズ」
次の日三人は、ひたすら戦闘にあけくれた。
レベルも上がり、強化素材もかなり集まり、
リズベットの鍛治スキルを上げるための材料も、順調に揃っていった。
アスナは、自分の武器の次の段階の強化をリズベットに頼むつもりでいたため、
積極的に素材集めに協力していた。
その頃街では、プレイヤー初の鍛治職人誕生!と言われるくらい、
腕がいい職人の噂が流れていた。
その職人は、露天で積極的に仕事を請け、かなりの早さで熟練度を上げたようだ。
リズベットは、一人で街中で仕事をする気はまだまったくないらしく、
今のところハチマンとアスナの専属のようになっていた。
(いずれは他のプレイヤーの仕事も受ける事になるかもしれないが、
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