ハーメルン
ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結>
11話:コーディネーターとコーディネーターの対話

「コーディネーターのお前が、なんで連合なんかに!」
「君こそ!どうしてZAFTなんかに!」

かつての親友は今、戦場で敵として再会していた。
二人はお互い、戦争を嫌っていた相手が軍に所属していることに驚きを感じていた。
加えてアスランは、どうして自分と同じコーディネーターが
―――しかも幼馴染が
連合に所属しているのかと、半信半疑だったことが事実とわかり、裏切られたかのようにも感じていた。
そんな二人の舌戦は、通信が繋がったことを皮切りに、ますますヒートアップしていく。

「状況もわからないナチュラル共がMSなんて作るから・・・!そもそもお前はこっち(ZAFT)側の人間だろ!?」
「どうしてそんなにナチュラルだからって拒絶するんだ!」
「・・・母はユニウスセブンで死んだ・・・そもそも!先に核ミサイルを撃ち込んで戦争を始めたのは連合の方じゃないか!」
「お母さんが・・・?」

やはり、トールの予想が当たっていたらしい。アスランは、母の復讐のためにZAFTに入隊したようだ。

「キラ!こちら側に来い!」
「できない!大体、ナチュラルとコーディネーターなんて何も違わない!同じ人間じゃないか!あの艦には僕の・・・僕の友達が乗ってるんだ!それを見捨てるなんて!」

残念ながら、今話をしただけでもアスランと元のように仲良くなるのは現時点では不可能だとわかる。なら、今はアークエンジェルを守るのが先決だ。
キラはビームサーベルをマウントさせ、ビームライフルの銃口を、話は終わりだと言わんばかりにイージスへ突き付ける。

「キラ・・・!」

アスランの方も、話し合いでは埒が明かないと判断したらしい。盾を構えて、ゆっくりとストライクから距離を取る。

どうやら、アスランのサポート部隊はなかなか厚い弾幕を掻い潜り、艦に取り付くことが出来ずにいるらしい。

イージスがじりじりとストライクと距離を取っていく。
後少しで、お互いの間合いから外れるというその時、イージスのコクピットの中でアラートが鳴り響いた。
反射的に、アスランがコンソールを確認する。

「バスターが!?」

アスランは驚愕していた。だが、体は訓練通りに動き、アスランはバスターがいる方に向けて離脱した。
艦の護衛をしなくてはならないキラは、唇をかみつつも、敵のけん制のためにアークエンジェルの上部に上がっていく。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


先ほどの舌戦から五分ほど前。
ディアッカ・エルスマンは人生最高の恐怖を味わっていた。
状況を整理しきれないでいるが、現状の打開策を探すために先ほどの出来事を回想する。

ヴェサリウスから発進し、デブリベルトで狙撃ポイントを見つけ、足付きのどこを狙おうか考えていた時だった。
ふと、コクピットのディスプレイに、ちらっとオレンジ色の光が見えた気がした。

「おい、クベ、さっきの見えたか?」

見間違いかもしれないが、戦場で敵のサインを見逃すことは死に直結する。
確認のため護衛のマ・クべに確認を求めるが・・・

「・・・?おい、クベ?」

返答がない。どうしたのかとジンの居る右下の前方を見てみると、そこには無残にコクピットを一突きにされたジンが、ゆらゆらと浮かんでいた。

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