ハーメルン
ガンダムSEED×00~異世界にイノベイターは何を思う?~<完結>
12話:アルテミスの傘
刹那のジンは、先ほど仕留めたジンを予備パーツとして使うため、回収していた。
先ほどは、おそらく散弾を使うだろうと判断し、近くにあったデブリを囮に使って、自身は他のデブリを蹴って三角飛びの要領でバスターの背後へと回り、キックでの加速とスラスターでの加速を上乗せしたライダーキックをバスターへ見舞っていた。
PS装甲が衝撃を吸収できない欠点を見抜いていた刹那は、中のパイロットを気絶させるつもりで蹴りを二回、装甲の隙間を狙って腕を切断、とどめに一発殴ってコクピットを揺らし、見事パイロットを気絶させたのだ。
装甲の隙間さえ狙えば、フレームが切断できることは、刹那にとって大きな発見だった。
残念ながら邪魔が入ったのでバスターの鹵獲は叶わなかったが、これでほかの三機にも対応することが出来るだろう。
また、バスターの修復にはしばらくかかるはずだ。
それに、
「なかなかの使い心地だ。良いものを作ってもらったな」
ジン・メビウスも、十分にガンダムに対抗できることが分かった。
マリューへの報告を心の中でまとめながら、刹那はアークエンジェルへ戻っていった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
アークエンジェルのドックは、戦闘終了後の喧騒に包まれていた。
そんな中、実働部隊の代表としてマードックがキラたちに近づいてくる。
「坊主!無事か!」
「やめてくださいよその呼び方」
「おっとこりゃ失礼、しょ、う、い」
「ボウズでいいです・・・」
そんなやり取りをしている内に、ムウと刹那が帰ってくる。
ムウは愚痴を溢していた。
「あーやりきれねー。逃げられちまったぜ」
「キラの活躍有ってのものだ。そういうな」
「お前はいいよなー、バスターの腕ぶった切ったんだろ?」
実はムウがZAFT艦に接近する間に撤退が始まってしまい、ムウは戦果を挙げることが出来なかったのだ。傍から見ればいい年した大人が拗ねているだけなのだが、刹那はそれをあやしている。
シュールさに輪をかけている・・・
「その・・・ごめんなさい・・・」
「いいって。無事か?」
「はい」
キラに声をかけられて、ムウが苦笑いになる。
しかし、急に真剣な顔になって刹那とキラに言った。
「おまえらの、特にストライクのOS、ロックかけとけ」
「アルテミスはユーラシアの所属、だったか」
「察しが早いねぇ」
「どういうことですか?」
キラは刹那ほど察しがよくない。そこで、ムウが補足を入れる。
「連合も一枚岩じゃないのさ。今連合は、MSが無いせいでZAFTに押されてる。そんなとこに、敵をバッタバッタ倒せる新型持って行ったら・・・わかるだろ?」
「急いでやります!」
「たのんだぜ・・・」
刹那に、自分がやろうか、と話しかけながらストライクの方へ行くキラを、ムウは何とも言えない目で見送っていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
キラが刹那のジンと自分のストライクのOSにロック(ペンタゴンの十倍くらいの強度)をかけ終わった頃、二人をトールとミリアリア、サイ、カズィが訪ねてきた。
「キラ!どうだった?」
「うん、やっぱり、ユニウスセブンでお母さんが亡くなってたみたいで・・・」
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