ハーメルン
東方大魔王伝 -mythology of the sun-
第13話 戻り得ぬ時
藤原妹紅
人間として生まれた彼女は蓬莱の薬を飲み不老不死の化物となった
長い時を生き、数えきれない戦いと死を繰り返した苦難にして永劫続く生であったが7人の終生の友を得、後に神の奇蹟によってまた人間に戻るという数奇な運命を辿った幻想郷で最高と言われる頂点の内の1人
王の象徴と同じ皇帝の名を冠した不死鳥を異名とする彼女は血の流れの果てに出会った1人の赤子の親となった
そして月日は流れ……守ると誓った赤子が8歳となった時……その事件は起きた
2年前
「おーい起きろ!」
迷いの竹林にある小さな家でルナは布団を剥ぎ取られた
「あと10分……」
「こら!早く起きろ!」
「あと30分……」
「長くなってるじゃねぇか!いいから起きろ!」
体を揺さぶられてようやくルナは起き上がって目を擦りながら起こした相手を見る
「朝ごはんにしよう!」
母、在りし日の藤原妹紅がそこには居た……
「早く食べろって、今日は寺子屋に行く日だろ?遅れるぞ?」
「うるさいなぁ……間に合うよ」
妹紅が話しかけるがルナは機嫌悪そうに答える
「最近、呪文の方は上達したか?」
「……まぁまぁだよ」
「幽香に虐められてないか?」
「……大丈夫」
「……そんなに怒るなよ」
「……怒ってない!」
立ち上がったルナは荷物を持つ
「ごちそうさま!行ってきます!」
「送ってこうか?」
「いい!行ってきます!」
怒りながら足早に家を出ていった
「また怒らせちゃったな……」
残された妹紅が頬杖を付きながらごはんを食べる
「何言っても怒られちゃうな……反抗期ってやつかねぇ……」
ルナが相手にしてくれないのが最近の悩み
「そのうちなんとかなるか……さぁて、私も修行でもするか」
片付けが済ませ外に出ようとする
「……ッ!!?」
急に頭痛が起き頭を押さえる
(まただ……どんどん酷くなってくる……吐き気もたまにするし……近いうちに永琳に見てもらうか)
痛みを我慢しながら妹紅は修行の為に出ていった
迷いの竹林・道中
「あらルナじゃない、おはよう、寺子屋?」
「あ、おはようございます輝夜さん!」
ルナは輝夜と出くわしていた
「あいつは家?」
「あーはい……お母さんは家ですよ」
「そう……よし!勝負を挑んでくるわ!」
「頑張ってください」
通り過ぎようとしたルナだったが輝夜に呼び止められた
「貴方があいつの何に腹が立ってるのか知らないけど親は大事にしてあげるのよ?」
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