ハーメルン
東方大魔王伝 -mythology of the sun-
第5話 正体

 

紅魔館・図書館


「美鈴!!?」


レミリアと咲夜が慌てて駆け寄る

「よせ……下手に触れば死んでしまう……」

重い足取りで進むミストの道を開ける、よく見ればミストも酷く衰弱していた、暗黒闘気の減少からなのか体が小さくなっている

「よいミスト、そこに居ろ余が向かう」

バーンが足早に駆け寄るとミストが膝をついた

「お願いしますバーン様……どうか美鈴をお救いください……お願いします……バーン様……お願いします……」

助けてくれと懇願するミストにバーンは言う

「それ以上言うなミスト、その頼みを断る事などありはせん、安心しろ」

「感謝します……」

ミストから美鈴を受け取ったバーンは直ぐ様回復魔法を掛けて咲夜に預ける、更にウォルターに念のため永琳を連れてくるように指示を出しミストへ手をかざす

「無理をするなと言っておいたというのに……愚か者が」

暗黒闘気をミストに与えながらバーンは叱責を飛ばす、いや、叱責ではない、ミストを大切に思うからこその心配の言葉

「申し訳ありません……」

失態に顔を伏せるミストは数瞬考え込んだ後に口を開いた

「敵の正体が……判明しました」

やられはしたが収穫はあった、多大な被害と引き換えにミストと美鈴は敵の正体を得てきていた

「敵は……冥竜王……ヴェルザーか?」

バーンが問う

キルとガルヴァスを擁する事から敵は馴染みの者であると予想したバーンの答えだった

「いえ……ヴェルザーでは……ありません……」

だがそれは真実を見たミストに否定された

「お話します……存在し得ぬ筈の彼の地、バーンパレスで私が見たものを……」

ミストはあの後起こった事を思い出す……













・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・














バーンパレス?ホワイトガーデン

「せあああっ!!」

「ぬううぅん!!」

ぶつかり合う美鈴と戸愚呂、手数の美鈴の攻撃が戸愚呂を捉えるが効かず、一撃に重きを置く戸愚呂の攻撃も難なく避けられ効かない

「むんっ!」

ミストが戸愚呂の背を殴るが微動だにしない

ドシュ!

兄の触手の様に伸びた五指がミストを貫くが霧になったミストには効果が無い

ザンッ!

兄の背後に姿を現したミストの伸びた手刀が胴体を斜めから半分ほど切り裂いた

「やるな……だが俺には効かない」

裂け目から触手が生えると瞬時に切断面を繋ぎ合わせ何でもなかったように兄は笑いミストは訝しむ

「解せない顔をしているな、なに……俺は体の器官を自由に移動させられ無限の再生能力があるだけだ」

わかりやすく教える為にボコボコと体が蠢き目や内臓を飛び出させる

「ちっ……厄介な能力を……」

「お前こそ厄介じゃないか、鬱陶しい能力だよ」

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