ハーメルン
IS学園での物語


『まずは――――』

 ブルー・ティアーズが言っている事をそのままセシリアへ。恥ずかしさに赤くなりながらもちゃんと説明を聞いている。
 全部言い終えたところで実際に『ブルー・ティアーズ』を飛ばし、実戦テスト。
 縦横無尽に飛び回るビットに指令を与えるため、セシリアは空中に浮かぶターゲットへ向けてゆっくりと人差し指を向け――――。

「ばーん」

 口で言うと、四つのビット全てから一斉にレーザーが放たれる。与えられた命令に従って。
 四本のレーザー全てが複雑な軌道を描き、正面から撃ったのに上下左右からターゲットを撃ち抜く結果となった。

「や、やりましたっ! やりましたわ、春人さん!!」
「…………ああ、おめでとう」
「ありがとうございますっ!!」

 誰が見ても文句なしの成功にぴょんこぴょんこと跳ねながら俺に抱き着いて喜ぶセシリア。それに俺の精神がゴリゴリと音を立てて削られていく。
 そして、そこへとどめがやってきた。

「春人さん、お願いがあるのですが……」
「……何だ?」

 抱き着いたままだからか、少し言い辛そうにしている。正直、もう離れて欲しいし、嫌な予感がするから聞きたくない。
 しかし、お願いという言葉には抗えなかった。

「明日から毎日、今のをお願いしたいのですが如何でしょうか!?」
「…………毎日、やるのか?」
「はいっ!」

 嘘だと言ってよ、バーニィ……。

「……ああ、いいぞ」
「はいっ! では明日からよろしくお願いします!」

 興奮冷めやらぬ様子のセシリアに何とか了承の返事をすると、まるで華が咲いたような笑顔が見られた。
 お先は真っ暗だが、まぁ良いもの見れたという事にしよう。それにしても疲れた……。

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