ハーメルン
IS学園での物語

 パフェも食べたのでいつものお昼寝スポットで寝転がる事に。ここ最近は慌ただしい上に、変な疑惑でのんびりなんて出来なかったからちょうどいいのかもしれない。
 だが中々寝付けそうになかった。襲撃以来昼寝する時は布仏が膝枕をしてくれていたせいか、何度も寝返りを打ってしまう。

「…………おい」
「何だ?」
「……何故同じ動きをするんだ」
「言っただろう。教官から一緒に行動しろと言われていると」

 その度に横にいるボーデヴィッヒが俺と全く同じ動きをしてくる。寝返りさえも。
 俺の一挙一動を見逃すまいとじっと見てくるのも中々寝れない理由の一つだと思う。

「…………はぁ、もういい」
「む」

 そう言って仰向けになって少しでも身体を休めるように大の字になると、横にいるボーデヴィッヒも遅れて大の字になる。
 それを見届けてもう一度溜め息を吐こうとしたところで。

『春人、春人。寝れないならお話しよ?』

 今度はミコトから話し掛けられた。眠くはあるが、寝れないというこの状況で断る理由もない。

 いいけど、途中で寝ちゃったらごめんな。

『ミコトちゃんは理解力高いヒロインなので問題なっしんぐ!』

 何だそれ。まぁ、何でもいいけどさ。

 相変わらず元気の良い返事に少し和みつつ、意識をそちらへ集中させるべく目を閉じる。

『ある意味で春人のネーミングセンスに期待して名前を考えて欲しいんだけど』

 おう、人のネーミングセンス弄るのやめぇや。

『あのね、あるお話で物語上最強形態の名前がシャイニングフォームっていうのがあるんだけど』

 物語上最強ってどういう事?

『お話ではそこまでしか行かなかったけど、本当なら更に進化するって設定なの』

 ほうほう、それで俺にそのシャイニングフォームの更なる進化した名前を考えて欲しいと。そういう訳ですね。

『そういう訳なのです。ではどうぞ!』

 あまりにも情報が少ないが、早速考える事に。
 とはいっても、既にシャイニングという物凄く強そうな名前がある訳で。語感的にこれを越える名前を新たに考えなくてはならない。
 そこに付け足すのもありだろう。それによって既存の上位互換というイメージが強くなる。下手をすれば下位互換になってしまうが……はっ。

『ん? 何か思い付いたの?』

 だが、そこで俺は閃いたのだ。俺的に凄くいい名前を。それをミコトも感じ取ったらしく、早速俺に訊ねてくる。

 おう。シャイニングフォーム・オーバーレイとかどうよ?

『漂うバトスピ感』

 それは言うな……。めっちゃ影響されてるから……。

 名前をと言われてみて、ふとあいつを思い出した。
 クラス対抗戦で襲撃してきた三号。名乗りもしなかったが、あいつにも名前はあるんだろうかと今更ながら気になってしまう。

 なぁ、ミコト。一つ聞きたいんだけど。

『私の春人への好感度なら常に限界突破してるよ』

 あ、ああ、そうなんだ……。それは置いといて、あいつに名前ってあるのかな?

『あいつって三号の事? ないと思うけど何で?』

 何でって、ないなら考えないとダメだろ。いつまでもあいつとか、三号とかじゃ可哀想だ。そんなの名前じゃない。

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