ハーメルン
荀シン(何故か変換できない)が恋姫的世界で奮闘するようです
呂布は俺に任せて先に行け
その一方で莫大な利益を出し続ける袁紹。
袁紹の投資信託を利用すればほぼ確実に利益は見込めるものの、それは袁紹に従属することに等しい。
実際、袁紹はその制度を利用して冀州における絶対的な権力掌握に成功していたのだ。
それを嫌った富豪たちは歯噛みをしながらも、袁紹の成功を指を咥えて見続けるしかできなかった。
彼らが何かと理由を付けて袁紹を廃するべしと求めるようになるまで時間はかからなかった。
要は、袁紹だけ儲けていて妬ましくてしょうがないという事である。
こうして、皇帝に漢帝国を構成する支配者層である清流急進派を始めとした官吏、豪族、宦官から袁紹の批判や、その勢力を削ぐべしといった意見書が提出された。
積極的に改革を推し進めながらもそのほとんどが失敗に終わり、権威を喪失していた皇帝はこれに飛びつく。
皇帝は袁紹を恐れていた。
反皇帝であることが疑いようもない清流を袁紹が大量に匿っていたからだ。
着任して間もない頃、300銭あげるからと宦官に言われてついうっかり玉璽を押したせいで、党錮の禁が起こった。
そのせいで、清流は現在の皇帝を憎んでいる。憎しみまでいかなくても、白い目で見られている。
その清流でも特に反皇帝である連中を大量に匿っているのが袁紹である。
更に、冀州州牧となってから袁紹は自分自身の支配力増大に努めている。
数万を超える私兵を雇ったという話もあった。
その兵士たちに厳しい訓練を課して、精鋭部隊を育て上げているとも。
ぶっちゃけ、何時袁紹に反乱を起こされるかと怖くてたまらない。
反乱が成功すれば間違い無く皇帝の首は飛ぶだろう。
袁紹配下の清流は嬉々として復讐に乗り出すはずだった。
袁紹は皇帝に忠義を尽くすと言っているが。
「何でだろ……私、麗羽ちゃんのこと信じたいのに。嘘つきだなんて思いたくないのに。どうしてだろ……私には麗羽ちゃんの言ってることが本当だって思えないの……」
不幸中の幸いというべきか、漢帝国で一人勝ち状態である袁紹に対して清流、豪族、宦官は手を結んだ。
衰えた現在の皇帝の権力では以前は名門袁家を敵に回すことができなかったが、今なら出来る。
むしろ、率先して彼らは袁紹排除を皇帝に勧めている。
やられる前にやれ。
「孫子も先制攻撃を薦めているし仕方ないよね」
そんな考えから皇帝は袁紹討伐を命じた。
ただし、袁家そのものを逆賊と認定することは拙い。
袁術など袁紹以外の袁家も大きな力を持っている。
下手に袁家を逆賊と認定すると彼らが一斉に皇帝に反旗を翻しかねなかった。
という訳で、逆賊認定をするのは袁紹のみでなくてはならない。
儒教的禁忌を散々に犯している袁紹であるから、批判することはたやすいが、それを袁家と結びつけるわけにはいかなかった。
と言うか、袁術から強烈な反発があった。
ということで、皇帝とその取り巻きは袁紹の下で経済政策を推進した荀シンに目をつける。
荀シンという天下の佞臣を重用して冀州から仁を喪失させた、といったストーリーにすれば良い。
袁紹の罪状を荀シンと折半させることで、袁家との繋がりをないものと出来るのだ。
おあつらえ向きに荀シンは袁家の譜代ではなく新参者。
荀シンを非難した所で袁家への非難には当たらない。
そんな論理である。
[9]前
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:2/10
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク