ハーメルン
のんびり天使は水の中
PVを作ろう

「わかるー、マジ、うざいよねー」
「だよねー」

ヨハネがAqoursに加入して二週間が経った。気づけばヨハネはクラスに馴染み……まだ、堕天使を隠そうと頑張っているから若干違和感はあるけど、そんな感じでクラスに溶け込んでいた。
そんなヨハネを、僕とマルちゃんは近くから見ていた。

「ヨハネ、だいぶ馴染んで……きたね」
「なんずら、今の間」
「いや、まだぎこちないし」

すると、ヨハネと喋っていたクラスの子は部活の為去って行き、ヨハネは机に突っ伏した。そんなヨハネの団子にマルちゃんは黒い羽を刺すと、

「くっくっくっ、ヨハネ堕天!」
「マルはこっちの善子ちゃんも好きずら」
「だねー。どっちのヨハネも僕も好きだよ」
「はっ!」

僕たちがそう言ったら、今更堕天していたことに気付いたのかハッとしていた。と言うか、堕天使を好きでいるんだから、隠さなくても……ヨハネがAqoursに入った時に思いっきり堕天使やってたんだから。
そんなことを思っていたら、何処かに行っていたルーちゃんが慌てた様子で帰ってきた。

「大変、大変!」
「ん?どうしたの?」
「学校が!廃校になっちゃう!」
「「「えっ?」」」

僕たちは声をそろえて驚きの声を漏らすと、ルーちゃんは落ち着きを取り戻した。話を聞くと、生徒会室の前を通った際に理事長と会話しているのが聞こえ、その内容が廃校についての話だったとのこと。そんな大事な話はドアを開けた状態でしない方がいいと思います。と言うか、せめて理事長室でした方がいい気がするけど。


~梨~


「ついに来たんだよ!廃校!これで、準備は整った!」
「千歌ちゃん?」

放課後、私たちは部室に集まって練習の準備をしようとしたところで、ルビィちゃんが聞いてきた“廃校”の話を聞いた。そしたら、千歌ちゃんがそんなことを言い出した。なんで、廃校になることに対して喜んでるの?

「だって、廃校だよ!これでµ’sと同じ状態だよ。私たちが廃校を止めるんだよ!」
「うーん。それは厳しい気がしますけど……」
「そうなの?」

千歌ちゃんが力説する隣で沙漓ちゃんは難しい顔をしてそんなことを言った。

「いえ、音ノ木坂は東京だったから生徒数が確保できましたけど、浦女だと生徒数の確保も厳しいので。主に人口の問題で。それに、沼津にも高校がありますし」
「そうだよね。じゃぁ、私たちが頑張っても廃校は避けられない?」
「いえ、それでも、内浦の方に住んでいる人なら浦女の方が近いので、沼津の方に行かなければ可能性はありますよ。だから、可能性は0ではないと思います。結構低いかもですけど」

沙漓ちゃんは今年こっちに来たからか、割と冷静にそう言う。やっぱり、他の皆と比べてこの辺りに対する思い入れが無いからだと思う。私もこの辺りにはまだ思い入れは無いけど、でもここは好きだから無くならないでほしいとは思う。

「皆はどう思っているの?」

私はみんながこの廃校に対してどう思っているのか気になった。すると、じーっと固まっている花丸ちゃんが目についた。

「花丸ちゃん?」
「沼津……いっぱいの本……都会……」
「あっ、花丸ちゃんは沼津に思いをはせています……。ルビィはこの学校が好きだから無くならないで欲しいけど……」

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