第五章:目標を斬る
「そうだ、ドラえもん。石ころ帽子があったろう。」
「あっ、そうだった!」
のび太の名案を聞き、ドラえもんはポケットの中に手を入れる。
「石ころ帽子!!」
なんとか石ころ帽子を被って無事に帰って来たのび太たち。
「結局のび太たちが取ってきたのはこれだけ・・・・。」
「でも初めてにしては上出来だよ。」
「そうよ、怪我がなくてなによりだわ。」
サヨに笑われ、ブーたれるのび太。邪魔さえなければ、もっと取ってこれたというのに。するとのび太はふと顔を上げる。
「そういえばサヨちゃんって小さな村の出身なんでしょ?何しに帝都に来たの?」
「・・・・・・・・・・。」
のび太の何気ない質問にサヨの顔から笑顔が消えていく。何かを察してかローグの母親が会話に割って入る。
「サヨちゃんの故郷の村は重税に苦しんでいるの。だから、幼なじみの二人と一緒に帝都軍の兵士になって出世して村を豊かにする為に帝都に来たの。」
「『わぁ〜っ!頑張って!!』」
サヨの立派な目標に関心し、拍手するのび太とドラえもん。
「・・・・それと・・・。」
「???」
暗い顔をしていたサヨが口を開いた。その表情は何故か物凄く怖い。
「ある男を探しているの・・・・・・殺すために。」
「えっ!?」
ドラえもんたちの目が点になり、家中に気まずい空気が流れる。
「ハハハ、冗談だよね?」
場を和ますために、のび太は笑う。だが
「・・・・・・・・・・・・・・・。」
サヨは悲しそうな顔をしながら何も答えない。どうやら冗談ではないらしい。
「いない。サヨちゃん、どこ行ったんだろう?」
次の日、のび太とドラえもんは街でサヨとはぐれてしまう。すると突然後ろから声をかけられる。
「見つけた!」
「『???』」
振り向くとそこにはピンク髪のツインテール・・・・ではなくなぜかボロボロの少女が仁王立ちしていた。
「一日ぶり。昨日は本当にゴメンナサイね。」
「昨日・・・・?」
何を言ってるのか分からない。こんな少女と対面するのは今日が初めてのはず。
パシッ
「え?」
少女はいきなりお菓子の袋をのび太から奪い取ると、そのまま走り出す。
「待てよ、それ僕のじゃないか!」
「のび太くん、追いかけよう!」
「はぁ・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・。」
少女を必死で追いかけるのび太たち。気のせいかどんどん人気のない道に入って行ってるような気がする。それにわざと追いかけられる速さで走ってるようにも見える。しばらくすると、人気のない建物にたどり着く。
「ここは・・・・・」
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