警邏隊初陣!!三国志池田屋事件!!
万朶の桜か襟の色
花は吉野にあらし吹く
大和男子と生まれなば
散兵線の花と散れ
今俺が歌っているのは好きな歌である「歩兵の本領」である。
因みにこの歌は警邏隊の奴らが気に入って近々警邏隊隊歌になるらしい。
もちろん歌の内容は変わる。
すると・・・・
「隊長。少しお話が・・・・」
「ん?ああ雪風か?」
俺に話しかけてきたのは
警邏隊情報部隊長を任せている銀髪で片目に眼帯をしている樊稠(はんちゅう)こと雪風だった。こうみえて口数の少ない少女だ。
「どうかしたのか?」
「はい・・・昨日の噂についてです」
すると吹雪の顔が真剣になった。
「・・・・何かわかったのか?」
「はい・・・・とにかく一度隊舎に戻ってください」
「・・・・・わかった」
そう雪風に言われ、俺は隊舎に戻った。
隊長室には斗志がいた。
「あ、隊長待ってました。」
「どうした斗志。なにかわかったのか?」
「はい、昨日の明朝、桜花の隊の連中が月様の屋敷の前で怪しい連中が行動をしていたのを目撃して捕まえたのですが・・・・」
「怪しい奴ら?」
「はい。いま桜花が取り調べているんですが・・・・」
「隊長っ!!大変っす!!」
すると桜花が勢いよく入って来た
「桜花!!入るときはちゃんと隊長の言っていた「のっく」をするって決めたでしょ!!」
「ああ・・・そうだった・・・・って!そんなことを言ってる場合じゃないっす!!大変なんですよ!!」
「どうしたんだ?事情聴いて何かわかったのか?」
「はい!相手がなかなか口を割らなかったので霞様が手伝ってくれたんですが、そいつとんでもないことを言ったんです!!」
霞・・・・一体何をしたんだろ・・・・・
俺は気を取り直して桜花に訊いた
「とんでもない事?」
「はい!」
桜花が言うには、その男は桜花が調べていた怪しい浪人集団の一人で、口を割らせたとこ。そいつらのすることは桜花の言った通り大変な事だった。
まずこの天水を焼き討ちにし、高官役人を暗殺。そして月を誘拐し、傀儡国家を作るというのだった。
「確かに大変な事だ・・・・・このこと詠たちに言ったか?」
「はい!報告しました。ですが・・・・」
「ん?どうしたんだ?」
「はい。この街の治安はよくなったのですが、外にはまだ多くの賊がいるため、そいつらを征伐する人員が少ないそうです。」
確かに今、母さんと橘花は賊討伐に出かけていない。幸い霞はいる。警邏隊もそこに一部派遣させている。
「で、詠さんが言うには「申し訳ないけど何とかしてそいつらを逮捕してくれ」とのことです」
「わかった。で、今奴らは?」
「はい。雪風が調査した話だと今夜どこかの大きな宿屋にてその会合をするらしいっす」
と、桜花は街の地図を出した。
「いま、大きな宿屋があるのは、雷電屋と池田屋の二つだけです」
斗志の言うことに俺は目を見開いた。この時代に池田屋があったのだ。なぜ池田屋があるのか?まあ、単なる偶然だと思うけど・・・俺は深く考えるのをやめた。
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