第八話
ニュースで昨日ホテルの爆発があったと放映されていました。最近は物騒だと感じる聖杯戦争参加者の一人な水谷響です。
やはり聖杯戦争においては場違い? 感はすごいですが、あんまり気にせず相変わらず今日も学校に通います。
連続殺人犯が捕まったとはいえ、そんなニュースが起きたのですから少しだけ下校が早まりました。学生からしたら少しだけ嬉しいニュースですよね。いや、少しばかり不謹慎かもしれないですけど。
でもたぶん、ホテルの爆破は流れの通りセイバー陣営の本当のマスターさんによるものだろう。
彼とは一切波長が合わないので一度たりとも夢が繋がったことはないけど。
あ、私の夢見は前世よりも何故か範囲が広がってしまって、一応コントロールもできるようにはなってきています。別に説明する必要性を感じないので詳しくは割愛。
今日もゆっくり徒歩で帰宅した私を待ち構えていた現代服な暇人王、ギルガメッシュを何故か家にあがらせた現在。
更に暇だと煩く言ってたので、父のゲーム機を引っ張り出してリビングにてプレイさせています。
私はそれを横目にしながらテーブルで宿題。アンデルセンは面倒そうな顔をしつつ横のソファーで本を開いて時々羽ペンを走らせている。
たまにギルガメッシュが見てみろと言ってくること以外は何事もない時間となっています。
いや、実は先ほど姉が帰ってきたけど。アンデルセンに認識阻害をしてもらい、友達と遊んでると言い張っておきました。
「そうなんだ」と納得してくれた姉は時計を見て慌ただしく部屋に戻って着替えて、部活の友達と遊んでくると出ていった。姉もまた、嵐のような人である。
「我を友人と称すなど、普通ならば極刑にもあたる不敬である。が、今の我は気分がいい。許すぞ童子」
「はーい。次は気を付けまぁす」
片手をシュピッとあげて返事をして、宿題を再開です。字を書くのに時間がかかってしまうので仕方ない。けど時間の割に字があまり綺麗でないのはなんというかな感じだ。
習字を習いたいって言ったら習わせてくれるだろうけど、そこまでして綺麗な字が書けるようになりたいとかじゃないし。あと、字を書くより本を読む方がいい。
というのは言い訳になってしまうだろうか。
「フハハハハ! 見よ響、全てこの我の領土にしてやったぞ!」
「わーすごーい。さすが王様だね! 私にはまだ難しくて、そんなことできないやー」
SLGゲームなのだが、難易度マックスで何度か滅ぼされかけているのを見たが数時間でここまでできるのか。
よくやるなと凄いなって気持ちが半々だが、賛辞を送ると機嫌良さげに「そうであろう」と得意気な顔を浮かべている。
もう機嫌がいいならそれで構わないや、とやや投げやりに考えているとそのゲームをもう一回するには飽きてしまったらしい。
「暇になってしまったぞ。何かないのか響」
「ええ? うーん……何かある? アンデルセン」
「俺が知るわけないだろう馬鹿め。と言いたいところだったが、オセロがあっただろう」
確かにそういうのあったなと思い、テレビの横の棚を漁る。
確かここに、そういうボードゲーム系が幾つか入っているはずである。
「オセロ、オセロ……ふむ」
聖杯の知識でも確認しているのか思案顔のギルガメッシュは放っておいて、オセロと他に将棋やら囲碁やらチェスやらある分を引っ張り出す。
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