ハーメルン
衝動的なの


亀と書かれた胴着を着た中学生ぐらいの少年、天寿を迎えた筈のヤムチャは見知らぬ場所にいた。其処にはチンピラに絡まれていた美少女がいた。美少女は長年連れ添った相棒のプーアルと名乗った、ヤムチャはプーアルから話を聞いて……頭を抱えていた。

「な、なるほど…プーアル、お前は死期を悟って俺の前から消えて…それから生まれ変わって人になってて、此処は地球でなくて、いや地球だけど、名前が同じだけで別の地球なのか」

「流石はヤムチャさま、ご理解と納得が早いです!!僕なんて初めて別の地球と知った時なんて、スゴく長いこと現実なんて納得出来ませんでしたよ!」

「ま、まぁな!悟空と会ってから摩訶不思議な体験は此でもかとしてきたからな!あの世に行ったり生き返る事と比べたら別の地球に行くぐらいそんなに驚くことじゃないだろ!」

ヤムチャはプーアル(美少女)相手に胸を張って強がった。内心はハチャメチャに動揺していた。

「い、いや、しかし…お前が生まれ変わった事も、別の地球来た事も納得いったが、何で俺も異世界に来たのかだよな。それとこの若い身体だ。この世界に来た拍子に若返ったのか?」

「ヤムチャ様、この世界に来た理由はわかりませんが、若返ったのでしょうか、ヤムチャ様もボクと同じ様に生まれ変わったのでは」

「俺も生まれ変わったのか?……死んだと思ったし生まれ変わったなら若い体になるのも納得出来る、か?…いや、やっぱり可笑しいだろ」

「どうしてですか」

「……生まれ変わったなら今は赤ちゃんじゃないか?」

「…そう、ですね」

「プーアルが生まれ変わった時に赤ちゃんじゃなかったのか」

「ボクが生まれ変わった時は赤ちゃんからでした…」

「普通そうだよな。なら俺も生まれ変わったなら赤ちゃんでないのは可笑しいだろ」

「な、なら何なんでしょうね…」

「ウ~ン…生まれ変わりでないと、若返りなんてそれこそドラゴンボールの願いでもないとだめだよな……他に考えられるのは」

ふとヤムチャは思い付いた。
冷や汗がダラダラと流れていた。

「どうしたんですか!?」

「い、いやな…も、もしかしてこの身体は俺のじゃないって事はないか?」

「え゛どうしてそう言う話になるんですか」

「…俺の顔ってどうだ。昔の俺と同じか?」

「は、はい。ヤムチャさまの顔です」

「プーアルが言うなら俺なのか、若返った俺のからだか、いやソックリさんの可能性もあるか……」

持ち物で確認できないかとポケットを探ると、財布と長方形の薄い機械がでてきた。

「なんだこれ?」

「それはスマホですよ。この世界の通信端末です」

「へーーー……通信端末か。へーー…この世界の通信端末持ってるってやっぱり誰か別人の体に入ってるのか。」

「あの、それに持ち主の情報があると思います!」

ダラダラと冷や汗をかくヤムチャにプーアルはいった。

「そうなのか?」

ヤムチャはスマホを操作しようとするが…ボタンがない。ヤムチャはどう使うのかわからない。

「……」

そのさまはガラケーからスマホに乗り換えたばかりの素人の有り様。

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