ハーメルン
虹に導きを
そして物語は美しく閉ざされた

『超弩級次元航行戦艦……通称聖王のゆりかご。その本来の名称は歴史の闇の中に消え去っている』

 天地を鳴動させながら心血に魔力が注がれる様に虹色の魔力が船体の溝を走っている。その力は文字通り、世界を揺るがすレベルだった。

『だが一つ、私が過去の記録を調べて把握したのはこれがアルハザード産であり、()()()()()()()()()()()()()()()であるという記録だ。データベースを探っていると古代ベルカの更に前、そうだね、その300年前からもさらに昔になるから大体200年以上も前の時代に別次元への侵略の為に利用された兵器であるという事だ』

 浮かび上がるゆりかごの姿、そしてその姿が生み出す不吉な気配に誰もが言葉を失っていた。それは本来、ゆりかごに動力源として接続される聖王の血筋が存在しなければありえない兵器だった。だからこそゆりかごはある意味安全だと言われた。聖王の血筋そのものが馬鹿げた才能を持つ怪物ばかりで、それを拉致するのはほぼ不可能に近く、それを接続させるなんてありえない話だ。だけどその現実は否定されていた。

『次元跳躍砲。空間破砕弾。次元震弾。ハーモニクスイレイサー。虚数転移砲。アルハザードを出自とする数々の禁忌兵器を複数同時に運用する事を目的として建造された、禁忌兵器をばらまく為の空母とも言える存在だ―――ちなみに、現代で私達がタイムハックを行う為に利用しているのもゆりかごだ』

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