12:思惑×日々
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《side:ロキ》
今は夕食が終わり、それぞれの団員がゆったりと過ごす時間帯
うちの部屋にはフィンとリヴェリアとガレスの幹部メンバーが集合しとる
ただしその内のフィンとリヴェリアだけが頭を抱え、うちとガレスだけは笑いを堪えるのに必死やった
「いやー、それにしてもカイトは予想の斜め上に突っ走るなぁ?」
「ガッハッハッハッハ!当たり前じゃ儂が認めた男じゃぞ!それぐらいわけもないわい!!」
今、フィンとリヴェリアが頭を抱えとる理由はカイトが何か問題を起こしたからやない
むしろその逆、何も問題がなさすぎる、端的に言って優秀すぎるということが問題になってもうた
最初のフィンからの報告では既に上級レベルでの探索が可能な実力に加え、自分の実力に驕らず油断もせずさらに余裕のあるうちに撤退を選択できるほどの判断力まであるとのことや、それを見てフィンは早急にカイトの訓練の質を上げて、ダンジョンに潜らせた方が本人のためにも良いということやった、将来的には最低でも幹部、できれば自分の後釜に納まって欲しいほどの人材らしい、カイトの訓練の質やダンジョン探索を積極的に行うというのにも驚いたのに最後の自分の後釜候補発言にはうちら全員の動きが固まってもうた
そんなフィンの報告の後にカイトに勉強を教えたというリヴェリアからの報告では、驚く程に知識の覚えが良く、また面倒くさいと言いつつも他の者に勉強を教えるくらいには面倒見が良いとのことや、カイトより先に勉強会に参加してた子たちですらカイトに教えてもらっているくらいには優秀とのことや、そんなカイトを見て今度はリヴェリアが自分の補佐として育てたいと言ってきた
これに対して教育係の主導を任されたガレスが何か言うかと思たら、戦闘面を自分が育てられれば他は別にかまわないと言ってきてるので現在ファミリアの団長と副団長が武をメインにするか文をメインにするか、それとも欲張ってどっちも英才教育するかで悩んでるっちゅー状況や
文武両道、天は二物を与えたっちゅー奴やな、チートここに極まれりや!
さてここで問題なのがカイトのこれからの育成方針についてや、カイトが才能に恵まれた子だとしてもあからさまな贔屓は他の団員との無用なトラブルを引き起こす、かといって他の団員と同じようにしてもせっかくの人材を腐らせるだけじゃなく、その才能を目の当たりにした他の団員のやる気を削ぐことになってまうかもしれん
あっちを立てればこっちが立たずな状況にうちらは頭を悩ませとる
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