異世界オルガ3
「【トランスファー】」
冬夜の無属性魔法【トランスファー】によって、冬夜の魔力が俺に流れ込んでくる。
「これくらい魔力が増えればいい?」
「あぁ、多分大丈夫だろ」
俺は自分の魔力量が多くなったことを確認する。
……よし、これならいけるだろ!
「【ミカァ!】」
俺は召喚魔法でミカを呼び出す。魔法陣から『ガンダム・バルバトス』のパイロット、三日月・オーガスが現れた。
「よう、ミカ」
「オルガ。どうしたの?」
「いや、お前をずっとこっちに居れるようにしようと思ってよ。冬夜に頼んで俺の魔力量を高めてもらったんだ」
「へぇ~、そっか、ありがとう」
通常、術士が魔物を召喚し、存在を保つときはその術士の魔力が必要になる。
そのため、召喚した魔物がずっとこちらの世界に存在し続けると、術士は魔力切れを起こしてしまう。
しかし、俺はミカをずっとこっちに居られるようにしたかった。
だから魔力量が無限にある冬夜の魔力を【トランスファー】で分けてもらって、その魔力を使い、ミカをずっとこっちに居られるようにしたのだ。
俺の顔を見て、ミカがこう聞く。
「どうしたの?オルガ」
俺は小さく笑っていたようだ。
「これで生まれ変わってもミカと一緒だな」
「うん。俺も嬉しいよ。それに……」
ミカは魔法陣を出てきて、歩き出す。
「体も元通りに動くようになったし」
「そうか。そりゃあ、よかった」
ミカもこちらに来れたところで、俺たちは王都の街を散策することにした。
体が元通りに動くようになったミカのリハビリも兼ねて、だ。
「どうしたんだろ?あの子」
エルゼがそう言って、指差した方向を見てみると、そこにはキョロキョロと辺りを見渡す小さな狐の獣人の女の子がいた。その女の子は今にも泣きそうな目をしている。つまり……
……迷子か。
冬夜が狐の獣人の女の子に声をかけにいった。
「あの、どうかしました?」
「じ、実は連れの者とはぐれてしまって……待ち合わせの場所は決めておいたんですけど」
やっぱり迷子か。めんどくせぇな!
「ああ、分かったよ!連れてってやるよ!!」
「ここがどこかもわからなくて……」
「連れてきゃいいんだろ!」
「えっ?」
「途中にどんな地獄が待っていようと、お前を……お前らを……俺が連れてってやるよ!」
「……何キレてんの?オルガ」
冬夜の無属性魔法【サーチ】で女の子が決めていた待ち合わせ場所の位置を調べて、そこまで案内する。
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