異世界オルガ7
モビルアーマーを倒した後、バルバトスルプスのコクピットからミカが降りてきた。
ミカは地面へ着地しようとしたが、失敗して転倒する。
……ん?何か、ミカの様子がおかしい……!?
「どうした!ミカ!」
「何か、足が動かなくなった……」
「なっ!?」
生前もバルバトスの性能を限界まで解放した時に同じような事が起きた。
生前は右半身を失ったのだが、今回は下半身が動かなくなったようだ。
だが、そうなる事は予想済みだ!対策案も考えてある!そう、この異世界には魔法がある!
「冬夜!」
「任せて!【リカバリー】!」
冬夜が【リカバリー】をかけると、ゆっくりとミカが立ち上がった。
「おお……!ミカ……!」
「やっぱり、あんたなら出来ると思ったわ!」
「無属性魔法、全部使えますもんね!」
「さすがは冬夜殿でござる!」
エルゼやリンゼ、八重も俺と同じようにミカの回復を喜んだ。
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モビルアーマー撃破から数日後、ついにミスミド王国の王都へと到着した。
馬車から降りて、真っ白な宮殿へと入っていく。
大理石で出来た長い廊下を進んでいくと、奥には大きな扉があった。
「どうぞ、お入り下さい」
ミスミドの兵士がそう言って、大きな扉を開ける。
そして、俺たちは謁見の間へと足を踏み入れた。
謁見の間の奥の少し高くなった玉座にこの国の王────獣王が座っていた。
俺たちは全員、獣王の前に片膝をつき、頭を垂れる。
「オリガ・ストランド、ただいまベルファストより帰還致しました」
「うむ、大義であった。……それで、そなたたちがベルファストの使いのものか。なんでも旅の途中、エルドの村の襲った竜を討ったとか」
「竜じゃなくて、モビルアーマーだ」
俺は獣王の言葉を訂正する。
俺の獣王への態度に対し、冬夜は頭を抱え、エルゼたちは唖然としている。そしてミスミドの宰相たちは怒りを露にした。
「獣王陛下になんと言う口の聞き方だ!」
「良い。……そうか、そなたが竜を討った勇者か!ハッハッハッハ!久しぶりに血が滾るのう!どうだ、ひとつ儂と立ち会わんか?」
どうやら、この国の王は血気盛んな性格のようだ。
……あと、竜じゃねぇって言っただろうが……。まぁ、それはどうでもいいか。
「……わかった」
俺は獣王による決闘の申し込みを受けることにした。
そして、俺と獣王は王宮の裏手にある闘技場へとやって来た。
俺は審判役から木剣と盾を渡されたため、とりあえず、受け取っておいた。
……まぁ、使うつもりはねぇけどな……。
「勝負はどちらかが真剣ならば致命傷になるであろう打撃を受けるか、あるいは自ら負けを認めるまで。魔法の使用も可。ただし、本体への直接的な攻撃魔法の使用は禁止。双方よろしいか?」
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