晴れた霧
なんとかガトー達を倒したナルト達。
だが、まだ問題は残っていた。
先ほど、突如現れて、人質となっていたツナミを救出した暗部の面をした少年の方に再不斬は顔を向ける。
相手もこちらの意図がわかったらしく、再不斬達の方へとやって来た。
一人ではなく、暗部の面を着けた忍の四マンセルで……
その小隊に、タズナが一目散に駆け寄り、
「つ、ツナミ!! すまんかった! 超すまんかった!」
「お父さん……大丈夫です。腕も殆んど治りましたから……この人が治してくれました」
と、ツナミは暗部の一人を指差す。
四マンセルのうちの一人に運よく医療忍者が配備されていたのが幸いし、ツナミはすぐに治療を受けていたのだ。
「なんじゃと? それは本当か!? お前さん達、超礼を言う!」
「いえ、お気になさらず……」
タズナの礼をやんわりと受ける暗部。
そこに痺れを切らした再不斬が、
「そんな事より、どういうことだ? 何故暗部がこんなところにいやがる? いや、いるだけならわかるが、オレを始末しに来た様子ではない。なら、一体何をしに来た?」
霧の暗部の登場にただ事ではないと、カカシ達も警戒しながら話しが聞こえる位置まで近付いていた。
リーダー格の暗部は再不斬の質問に対し、
「オレ達が来た理由は二つ。そのうちの一つはガトーに法的処罰を受けてもらうことだ」
「何!? コイツを捕まえるという事か?」
「そうだ。各国の抜け忍を雇い、国の乗っ取り、人身売買、麻薬の密輸……少々やり過ぎたらしく、霧や木の葉だけでなく至るところから恨みを買って、今回、事実上ガトーに関わった全ての国の同意で処罰をさせることが決まった。色々と上手くやっていたようだが、叩けばいくらでもホコリも出るだろう……」
「そうか」
暗部の答えを聞き、再不斬は自分の仕事が一つ減ったなと考えていた。
だが、それはそれ。
ガトーを逮捕することと、再不斬を抹殺しに来ないのは別問題だ。
暗部もすぐに再不斬の意図を察し、
「ああ。ガトーなどはただのおまけだ。本題はお前達のことだ、再不斬」
「ふん、オレ様をどうしようってんだ?」
「安心しろ、そちらから斬りかかってくるなら話は別だが、こちらとてお前と殺り合うのは遠慮したい……再不斬……お前に水影様から帰還命令が出ている」
「わざわざ殺されに戻ってこいってか?」
「早とちりするな。お前の知っている水影様ではない。これを見ろ」
暗部が再不斬に巻物の書状を受け渡す。
再不斬も話の内容が理解できず、眉を寄せながら巻物を受け取り中身を見る。
すると、そこには想像にもしていなかった内容が記されていた。
要約すれば、
再不斬を含む、今までの抜け忍達の処罰を例外を除き、今回の帰還に従うのなら一度白紙にするということ。
そして、この書状が再不斬の知る四代目水影ではなく、五代目水影によるものだということ。
今回の帰還命令を出したのは五代目水影、照美メイであるという内容だった。
「おい……これは……」
「詳しくはこの場では話せないが、今まで、突如変貌した四代目水影様による霧隠れの采配に不満をもらしていた連中の言い分を五代目水影様は認めるとおっしゃられた。お前の行ったクーデターも含めてな。そして、血霧の里と言われてきた政治を討ち壊して、もう一度霧隠れの里を再建なさろうとしておられる」
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