第五話.名将
何故か大将軍補佐とかいう新しい役職に任命された俺は、城内で色んな噂が飛び交う今一番話題の熱い男となりました。まあ売男とか色情魔とか誰とでも寝るとか何進の肉便器とか顔と身体で地位を手にいれたとか、そんな話ばかりだけれども。
そして若干否定しにくい。なんせあの面接の時の何進の記憶は、何太后によって、俺は何進にあひんあひんにされた事になっている。どっちだよあひんあひんになってたのは。でも事実が何進にばれると打ち首である。幸いな事は華琳姉や麗羽さんは噂を鼻で笑い、姉からは「実力で手にいれた地位だもの。実力で黙らせなさい」と無茶振りが飛んできました。なので何進と二人きりや、何太后もいる時は出来るだけ何進を罵ってびくんびくんさせてます。姉の言い付けだから仕方ないね。ま、何進の頭の中では俺がびくんびくんなってる事になってるから問題あるまい。
ま、仕事らしい仕事してないけどね! 何進をびくんびくんさせてるか、何太后……秘密を共有する仲って事で真名交換した瑞姫や、何度も閨を共にする仲(一度もしてない)と交換した傾と恐らくこの国最高級の茶菓子やお茶を楽しんでるだけである。でも袁家で食べる茶菓子のほうが美味しい……。あれ俺の好みに合わせてたんだなと実感する。ちなみに真名は他人の前では呼んではいけない事になった。とくに瑞姫なんて他人の前で呼んだら大変な事になるからと。まぁそれはそうだろうと納得している。ていうか交換したくなかったけど圧力に負けただけなんだが。
「なあぽち、城内の噂を知っておるか?」
「ん? なんの?」
大将軍の問いかけにタメ口で返す男、ぽち。恐らく大陸広しといえどもこの男だけである。
「お主が私の肉便器だの呼ばれている事だ」
普通言いにくい事をズバッと言う傾。ヒューっ。男らしいぜ。
「まあ、事実だがな」
いやいやいやいや無実です。あんたの頭の中だけだよ。
「だがあまりにもうるさいと面倒でな。お前ちょっと手柄を立ててこい」
「……は?」
「何、私の代理として賊狩りをしてこいと言っているだけだ。お前なら簡単だろう。先日袁紹と話をしたが、貴様の才覚を偉く高く評価しておったからな。」
……麗羽さん何してくれてるんですかね。
「安心しろ。討伐の際はお前には私と同等の権限を与える。故に勝ったも同然だ。お前の声は私の声という訳だ」
「いやその理屈はおかしいだろ頭の中まで発情したのかクソババア」
「な──」
最近、傾の発情スイッチ入ってからあひんあひんになるまで時間が短くなってきて助かる。調教が行き届いてる模様。
まあ残念ながら賊討伐には行かされる事は決定事項であり、何故か総大将に命じられた俺。何進大将軍の代理である。今この国の軍事の頂点は、一度も軍を率いた事がなく、剣も槍も使えぬ俺である。頭おかしい。相手の規模は三千程度。こちらは正規兵六千を率いて出立である。そしてあからさまに軍内で腫れ物扱いされる俺。俺、賄賂要求しないし発言気に入らないからって首刎ねたりしないよ? 俺がそっちの立場なら関わりたくないから残当である。
出立一週間前、未だに軍議していない事に気付いた。あれ? 俺ハブられてる? いや別にお飾りでいいんだけどさ。きっと周りが既に全部把握してるやろうと能天気に城内を散歩していると薄紫色髪の少女から声をかけられた。ある意味事案である。
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