10テンションが高い人たちに合わせるのは結構大変
空が青い。
改めて見てみると空の青さというのは何故こうも清清しいのだろう。
ルルーシュは、いつになく達観した気持ちで空を見て、そんなことを考えていた。心は晴れやかだった。しかし、目は死んでいた。そんなルルーシュの態度を人によっては、こう呼ぶかもしれない。
「さあ!始まりました!第一回!チキチキ!ルルーシュの本妻は誰なのか!!選手権!司会は私生徒会長ミレイと!」
「ご存じ皆の人気者の熊さんでいかせて頂きます」
「ご存じと言っても多分誰も知らないと思いますが、何故そんなぬいぐるみを着ているのですか?」
「男は多少秘密があった方がミステリアスでしょう?」
「くーっ!意味は分かりませんが、とりあえず、私と熊さんの二人で本日は司会を進めさせて頂きます!さあ、皆様本日はよろしくお願いします!」
そう。現実逃避と。
どうしてこうなった。
頭を抱えながら優勝賞金?として舞台の上に座らされているルルーシュは、ここ数日何度となく自らに問いかけた質問を再びぶつける。
~二週間前~
「え!?ちょ、ルル!?嘘でしょ、嘘だよね!?だって、ルルとカレンが喋ってる所なんて見たことないよ!?」
「そーだぜ、ルルーシュ!!お前いつの間にそんなに羨ましいことになってんだよ!」
「また嘘なんでしょ!?嘘だって言ってよ!ルルーシュの相手は彰君じゃない!」
「ちょ、ちょっと皆落ち着いてくれ」
ルルーシュは事情を聞きに集まってきたメンバーの対処に追われていた。援護を求めにカレンの様子を伺ったがカレンもカレンで大変な目にあっていた。
「カレン!あんた何でそんな面白いこと早く言わないのよ!水臭い!」
「カレン……あなたは、まだ子供だと思ってたけど、もうそんな年になったのね……ナオトも喜ぶわ。ルルーシュ様ならお母さんは大賛成よ」
「会長!?お母さんまで!?い、いや、私とルルーシュはそんなんじゃないから!」
「照れちゃって!可愛い!」
……カレンの援護は期待できそうにない。何を考えているんだ、あいつは!?確かに、カレンがここにいる言い訳としては最適かもしれんが、後始末が大変だろうが!
心の中で悪態をつきながら、こんな騒ぎを引き起こした元凶を目で追うが、居なくなっている。
嫌な予感がした。居たら、居たで問題を引き起こす奴だが居なければ居ないで、何をしでかしているか分からないという不安がある。
慌てて、辺りを見渡し、桐島の姿を探すと窓の近くに寄っていた。本能的に、ルルーシュは桐島の行動を止めようとしたが間に合わず、桐島は窓を開けて言い放った。
「何だって!?カレン・シュタットフェルトとルルーシュ・ランペルージ副会長が付き合ってるだって!?」
直ぐに窓の外から悲鳴と怒号が響き渡った。
一瞬、呆然としてしまったルルーシュだが、我に返ると射殺さんばかりの眼差しを桐島に向けるが、本人は笑顔でサムズアップを返してきた。果てしなくウザかった。
それに気付いたシャーリーが桐島に詰め寄った。
「何やってんのよ、彰君!?そ、そんな嘘を学園中に広めたりして!?」
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