10テンションが高い人たちに合わせるのは結構大変
「さ、さあ?分からないわ。こほっ、こほっ。ごめんなさい、さっきから、咳が止まらなくて。こほっ。こほっ。」
何やら病弱をアピールしているが、どう考えても無理がある。そのはずなのに、何故か周りの全員がカレンを心配している。
おかしいだろ。何でさっきまで、ピンピンしてた奴がいきなり咳き込んでるんだ?何で明らかにカレンの方向から飛んできたのに、誰も突っ込まなくなってるんだ?そもそも、何でカレンは病弱何てキャラを演じてるんだ?絶対にバレるだろ。中身と全然違うんだから。
「大丈夫カレン?ちょっと横になってた方が良いんじゃない?」
「だ、大丈夫よ、お母さん。心配しないで。落ち着いたから」
「そうなんだ、良かった……と、ところで、カレン?ルルと付き合ってるって本当なの?」
「え、えーと、いやあ、それは」
チラッと俺の方を見ているが助け船は出せんぞ。そもそも、付き合ってるというのが無理があるんだ。諦めて嘘だと言ってしまおう。あの馬鹿がいなければ、邪魔をされはしないだろう。
とルルーシュは思っていたのだが。
「どうやら、お困りのようね。カレン。シャーリー!」
ルルーシュは忘れていた。
「こうなった以上、この問題を解決する方法は一つしかないわ」
ここには、吹っ飛んだ馬鹿以外に、ルルーシュの想定外の行動を引き起こす人間がいることを。
「恋とは勝ち取るものなのよ!カレンが恥ずかしくて言い出せないなら!シャーリーが認めないなら!納得がいくまで戦いなさい!」
「か、会長一体何を」
「今ここに!ミレイ・アッシュフォードが!第一回ルルーシュ争奪戦を開くことをここに宣言します!」
「「「「ええ!!!???」」」」
~~回想終了~~
何度思い返しても頭が痛いルルーシュ。
止めさせようとしたのだが、吹っ飛んできた馬鹿も舞い戻り話に乗っかったことで、ルルーシュが何を言ったところで話は進み、こんなことになってしまった。
次からはあの二人を組み合わせないことを固く誓ったルルーシュであった。
「さあ!まずは選手の紹介から始めたいと思います!」
「いやー、全員可愛いですね。目の保養になります」
ミレイと謎の熊のぬいぐるみの司会の下で、生徒は最高に盛り上がりを見せている。
一方で
(帰りたい……)
周りの盛り上がりにも関わらず、これがルルーシュの心からの本音であった。
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