13 優秀なナレーションは先の先を読んでやる
「さあ、残すところは決勝戦のみ!優勝するのは大本命のカレン選手か!はたまた、ダークホースのニーナ選手か!一瞬も眼を離せない展開になって参りました!」
「いや、幾らでも眼を離して良いから。そもそも見る価値もないから、こんな茶番劇」
「こんなもの見るだけ時間の無駄だ……そもそも、何故俺がこんなものに付き合わされているんだ……」
「今更でしょ……私も完全に同感だけど……」
苦労人ポジションが定着してきたカレンとルルーシュは死んだ眼をしながら、虚空を見つめる。
しかし、諸悪の根元である二人は、そんなことを気にも留めないのであった。
「さて、最終種目の発表に移ります」
「おーっと、熊さん、展開が早いですね。では、どうぞ!」
「待たせる男は嫌われるんでね……最終種目は……デートです!」
「「デート?」」
「響きが素晴らしい言葉が来ましたー!ところで
、デートでどうやって勝負するんですか?」
「ふっ。まあ、焦らないで下さいよ。判定基準は私も知りません。判定するのは優勝賞品(ルルーシュ)です」
「おい、お前俺を物扱いしたな。というか、俺が決めるのか?」
熊の発言にルルーシュは額に青筋を浮かべるが、その発言の内容に一応確認を取る。
「そうです。あなたの恋人なのですから、その最終判断はあなたに決めて貰う必要があると思いまして」
「無駄に正論だな。本当に無駄だが。では、俺の希望に沿って今すぐこれを終わらせるという選択肢はないのか?」
「え?あると思ってるんですか?」
「……本当に一度くらい死んでくれないか、頼むから」
ストレスで体を震わせながら漏れでるルルーシュの本音だが、周りの皆は聞いてすらいない。
唯一カレンだけが、本当に可哀想な者を見る目で見つめていただけだった。
「先行はニーナ選手です。行く場所はくじで決めてもらいます」
ニーナは意気揚々と席を立ち、ルルーシュは心の底から面倒だと思いながら、その後に続いた。
ニーナはミレイから差し出されたくじ箱の中に手を突っ込み一枚を引き当てた。場所は
『動物園』
「二人のデート場所は動物園となりました!では、レプリカを用意しましたので、所定の場所について下さい」
デート場所としては定番だが、カレンとルルーシュは何だか拍子抜けした気がした。
「何というか……普通ね」
「ああ……驚くくらい普通だな」
しかし、だからこそ、何となく嫌な予感がする二人だが、そう考えると本当に実現しそうだったのでなるべく考えないようにしていた。
「では、デートスタートです。二人とも頑張って下さい。」
「よし!じゃあ、行きましょうルルーシュ!」
「デートに頑張るも何もないだろうが……それで、何でニーナはそんなにやる気満々なんだ」
「決まってるじゃない。彰君以外にルルーシュを渡すわけにはいかないのよ」
「……何を言っているんだニーナは」
「まあ、渡すとしたら高いハードルがあるわね。日本人でルルーシュと幼馴染みたいな関係で親友同士で爽やかイケメンみたいな男の人なら譲っても良いわよ」
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