第十四話
ふむ。なるほど。
【ロキ・ファミリア】の深層遠征組が帰還途中にミノタウロスの群れに遭遇した際に、フィンが新人育成の為に指揮を次期団長候補の人物に託して、なおかつ深層において活躍の場が無かったサポーター組に編成されていたレベル2、3の団員にミノタウロスの掃討を任せた所、ミノタウロスが瞬時に反転、逃げ出した為に追撃に入る。
しかし四十階層近くを一気に駆け上がってきた影響も有り、疲労状態が限界に近かった為か追いかける為に編成した追撃組が完全に追いつき切れず、なおかつ道中で怪物の宴等も割り込み、結果として追撃組として編成されたレベル5組ですら完全に掃滅できずに上層に十匹以上侵入。
察した団長であるフィン・ディムナと言う人物が遠征組の指揮をリヴェリアに託して追撃組に加わる。
その後、上層五階層に逃げ込んだ二匹の内一匹をアイズ・ヴァレンシュタインと言う人物が撃破。
フィンも少し遅れて五階層に入り込んだもう一匹を撃破。
撃破の際にミノタウロスの近くで致命傷を負った状態の俺を発見して、慌てて治療を行い保護。
発見時にミノタウロスは目や口、鼻等をやられて顔面が血塗れだったらしく状況から俺が何かやらかしたっぽいと判断。
と言うか瀕死の重傷の怪我人を一発で治せる『エリクサー』とか言う薬、ヤバすぎだろ。なんか変なモン入ってないだろうか……まぁ、ファンタジーでおなじみの万能薬っぽいし、大丈夫か。
【ロキ・ファミリア】も遠征で疲労が溜まっていたとは言え、駆け出し冒険者にレベル2でも苦戦必至のミノタウロスをぶつけてしまった事を謝罪する意味も込めて【ロキ・ファミリア】本拠へ護送。
その途中、ローブの中で縮こまっていたキューイを発見。団長であるフィンが危険は無さそうで、この子のテイムモンスターかもしれないから手出しは厳禁と言う命令を出して一応モンスター用のケージ……檻? を用意しようとしたが直ぐには用意できず。鳥籠を代用。
キューイ本人は特に暴れる様子も無く、林檎をあげたら喜んで食べていたので、鳥籠の中で大人しくしていてほしいとリヴェリアがお願いした所、普通に頷いて肯定。
言葉は喋れない様子だがかなりの知能を持ち、なおかつ危険も無さそうと言う事で保護した俺の部屋に一応置いておいたと……
ほほー……あぁ、なんかまだ完全に思い出した訳じゃ無いが……一つ疑問が産まれた。
――――――ベルは?
「すいません、ベル……えっと、白髪に赤目の私と同じ駆け出しの少年が近くに居ませんでしたか?」
ミノタウロスに襲われた? 危険度についてはエイナさんの勉強で習ったが、確かミノタウロスってレベル2でも避けて通るヤバイ奴だるぉ?
まぁ、【ロキ・ファミリア】の失態について特に指摘する積りは無いし。其処を逆手にとって高額なヴァリスを要求なんてしない。と言うか……なんか【ロキ・ファミリア】側が既に謝罪金などの手配をしているらしい。
数百万ヴァリスだと……マジかよ……。
えぇ……俺とベルが3階層へ一日ガッツリ潜ったとして収入って3500ヴァリス前後だぞ?
数百万とか……多すぎィ……と思ったんだが、どうにも【ロキ・ファミリア】側としてはそれでも少なすぎるらしい。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/8
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク