4話 【恋の始まり】
私と羽沢さんが出会ったのは、っというより、一方的に知ったのは4月の始め頃のこと。
まぁ、二人とも知ってるとは思うけど、私他の学校から受験してきたんだよね。
だからここの学校のことはよく知らなくてさ。
早くこの学校に慣れようと思って、放課後になると、よく校舎内をあちこちふらふら歩き回ったり、いろいろな部活に体験入部したりしてたんだ。
そんなことをしてたある日、私はあることに気がついた。
気がついたことというのは、高確率でとある少女と出会うことだ。
そう、それが羽沢さん。
まぁ、その時の私はそんなこと知ってる訳もなく、最初は双子でも居るのかと思ってたよ。
まぁ、興味を持った私が色々観察してたら、そんなことないってことがわかったけどね。
あっ!!さ、最初に言っとくけどっ、べ、別に、す、ストーカーとかそんなんじゃないからねっ!!?
私はただ純粋に観察してただけなんだからっ!
ほ、本当だからねっ!?
ご、ごほんっ。
ま、まぁそんなことは置いといて。
結果として分かったのは、
羽沢さんの名前と、
羽沢さんが生徒会役員であること、
そして羽沢さんが多忙で努力家な人であること。
だから羽沢さんをよく見かけたわけだね。
っとまぁ、そんなわけでいろいろ知れた訳だけど、少し心配でもあった。
だって、あんなに忙しそうにしてるのを見たら、いつか倒れてしまいそうな気がしてハラハラしちゃうでしょ?
そしてそんな羽沢さんを観察する日常のある日。
その日もその日で、忙しなく働いている羽沢さんを見ていた。
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相変わらず、頑張ってるなぁ~。
図書室で書類をチェックしながら真剣に仕事をしている羽沢さんが視界に映る。
廊下越しからだけど、充分にその様子が分かった。
そんな姿をみていると、不思議とこちらも頑張ろうと思えてくる。
羽沢さんはもしかすると魔法が使える魔法使いなのかもしれない。
なんて馬鹿なことを考えていると、図書室で頑張っている羽沢さんに危機が起こった。
突然、地震が発生したのだ。
そこまで大きくも長くもなかったが、老朽化した本棚は耐えられなかったようで、羽沢さんの隣にあった本棚がグラリと揺らいだ。
当の羽沢さんはその事に気がついていないようで、書類に何かを書き込んでいた。
"危ないっ!!"
そう本能的に感じた私は急いで図書室に駆け込み、懸命に羽沢さんへ腕を伸ばした。
それと同時に、羽沢さんが倒れてくる本棚の存在に気づいたようだが、どうやら驚きすぎて硬直してしまっているようだ。
そんな羽沢さんに向かって、残酷にも迫り行く本棚。
"間に合えっ!!!!"
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