ハーメルン
転生するらしいのでチートを頼んだら自分で手に入れろと言われた件。
プロローグ
転生先は魔法少女リリカルなのはの世界。
転生する時期は原作開始五年前。
転生する際にされた神様の注意によると、この世界は原作の世界。二次元の世界ではなく、あくまでも無限に存在する並行世界の中から一番原作に酷似した世界として選ばれた世界であり、二次元と勘違いしてはいけないと説明された。
ちなみに俺がループさせられていた世界もそうらしく、俺は身に染みて理解していたので特に動揺はしなかった。
さて、身一つで転生させられたので住む場所も何もないホームレススタート。更に体も原作開始に合わせたのかかなり幼い。具体的に言うならば四才ぐらいの幼児。
まあ、適当に幻術で戸籍作らせて宝石や貴金属を売れば衣食住は問題ない。
問題は俺以外の転生者だが、ふむ、手っ取り早く未来視で探してみるか。
ーー二十一の青い光を放つ石を身に纏った金色の魔女が世界を焼き尽くす。
ーーこの世界にあり得ざる力を喰らい尽くし、神をも喰らわんと猛る怪物の姿。
ーーこの身を貫く十字槍を握る女。
……ふむ。これは酷い。
これがこの世界の辿りうる未来の可能性か。
この世界にいる転生者はざっと一万人以上。その内原作とか関係なく平和に過ごしているのが一割。原作介入を狙う転生者が九割。その内、他の転生者を排除するために過激な行動を取るのが七割。そして原作とか関係なく暴れる転生者が少なくない数いる。
なにより俺が一番酷いと思うのは、このまま放っておけば世界が滅ぶという事。ではない。未来が一つ残らず全て滅んでしまっている事だ。ハッピーエンドなんてない。希望なんてない。例外なく滅びしか待っていない。原因は転生者。神から与えられた力を我が物顔で振り回し、世界を壊す愚か者共のせい。かといって転生者を根絶やしにしても世界は滅ぶ。本当に酷い話だ。
許せない。ああ、許せる筈がない。何より簡単に力を貰っているからとかではない。決して。ええ。本当に。
……。
仕方ない。折角転生した世界。転生者のくだらないいざこざで滅ぼすのは惜しい。
故に、我が全身全霊を持って転生者を律するとしようか。
まず手始めに、BLEACHからロカ・パラミアの反膜の糸を使い、この第九十七管理外世界地球に存在する全ての転生者に繋げ、情報を得る。情報を得たらそれを元に戦術を構築。そして準備を終えたら、ユーハバッハの力により、海鳴市の影の中に世界を創造。そこに転生者を全員瞬間移動させた。そして、俺はユーハバッハの姿を借り、創造されたばかりで何もない世界に飛ばされて動揺している転生者達の前に姿を現した。
それは突然だった。
気が付いたら、地平線まで床が広がる白い世界に連れてこられていた。
前世で神様のミスとやらで死に、お詫びとして魔法少女リリカルなのはの世界に転生させてもらって四年弱。そこまで強力な特典を選ばなかった私は原作には極力関わり合いたくない気持ちで大人しく生きてきた。
なのになんだこれは。
いきなりだ。
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