ハーメルン
ザ!鉄腕シンフォギア!
序章 2



 ここは私立リディアン音楽院。

 さて、我らがダッシュ部の五人娘はノイズ退治もこなしながらこの学院で学業の方にも力を注いでいた。

 というのも? 彼女達の本業はむしろこちらと言わざるえないだろう。

 音楽の学校なのに何故か農業部がある事が不思議だが、もはや、かれこれ長いことやっているので学院の人達からも受け入れられている。

 その理由は…。


「あー、兄ィお願いがあるんだけどー、ウチらの部室の増築の件なんだけどさ」
「ごめん!リーダー!実は最近ウチの実家の野菜が売れ行き悪くってさ!」
「ねー、谷子ー、今度BBQを友達とやるんだけど炭の作り方ってどうすんの?」
「松姉ぇ、料理教えてー」
「智絵ー、ちょっと見てよー、部活で使ってたピッチングマシーンが壊れてさー」


 とこんな具合に毎日、農業部は大盛況だからである。

 そんなこんなで彼女達はあちらこちらに引っ張りだこ、毎日忙しい日々を送っていた。

 これに加え、ライブやノイズ駆除、そして、ノイズの被害にあった被災地復旧の手伝いにたまに街外れの村や無人島などにも足を運ぶため大忙しである。


「か、身体がもたへん」
「いやー、ハードだねハード」
「逆に捉えたらめちゃ充実してない?」
「「いやいや、ないない」」


 そう言うと顔を引きつらせ智絵の言葉を全力で否定する多津音とリーダー。

 ただでさえ、毎日のように学生から依頼が来るのに時間がいくらあっても足りない、さらには学校からも依頼が来る始末。

 これにさらにライブやらいろんな本業での活動が上乗せされていけば、そうなるのも頷けてしまう。なんでもこなせてできてしまうというのも考えものである。

 そんな忙しい毎日の中でも。


「よー、今日も大忙しだなぁ」
「!? 姉御ー! 待ってました!」
「今日はドーナッツ! プリン?」
「へへへー、残念、シュークリームでしたー」
「しゃあ! テンション上がってきたー!」


 こうして、たまに彼女達には師匠である奏から差し入れがやってくる。

 奏も彼女達から農業部所属という事に勝手にされているが、こちらはツヴァイウイングのライブや身体の調整、翼の件もあって彼女達の活動に積極的には参加できない。

 その分、こうして彼女達に差し入れなどをしてあげ、少しでも力になれたらという心遣いを毎回差し入れという形で奏は示してくれているのだ。


「ごめんなー、大変なのにお前らも」
「何言ってんですかー、姉御は畑の種植えや田植えとかも手伝ってくれたじゃないですか」
「けどさ」
「だいたい、姉御は私らが勝手に所属ってしただけだし、こうして差し入れくれるだけでもありがたいよ」
「おおきになぁ」


 そう言って差し入れを持って来てくれた奏に感謝の言葉を述べる農業部、部員達。

 奏は彼女達がどんな事をやってきているのかを知っている。

 ノイズの被災地に赴いては炊き出しはもちろんの事。

 破壊された建物の再建のお手伝い、はたまた、ノイズ襲来で家族を失った子供の保護を求めて働きかける運動など多岐に渡り行なっている。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析