ハーメルン
僕が響になったから
What is your name?

 あとはスタイルか。和風にするのか洋風にするのか。ゴシック調もきっと合うだろう。ただ、あまりに女の子女の子してしまうと、だれかを…とはいっても今のところすみれさんだけであるが、を部屋に呼んだときに恥ずかしくて仕方ないと思うので、色々考えてみよう。

 ということで、家具屋に行く前にちょこっと本屋を覗いて情報収集をしてみよう。女の子向けのショップの情報を集めたい。あとはファッション雑誌も何冊か手に入れたいところだ。どうしてもネットやショップ店員さんだけの知識だけだと偏りがちだしね。

 ということで早速本屋の扉をたたく。本屋といっても個人営業店ではなく、最近、駅前にできた大型の本屋だ。朝というだけあって人は少ない。ええと、とりあえず女性向け雑誌のコーナーは、と。うん、セブンティーンやキャンキャンといったよく聞く雑誌達が所狭しと置いてある。いいね。
 ぺらぺらと捲れば、最新のファッションが目に入ってくる。確かにこの格好を私がすればきっと可愛い。のだけれど、紹介されている服のブランドとお値段を見てみるとまぁ高い。うーん、まぁ、とりあえず後でじっくり読むとしようか。数冊を手に取って歩みを進める。ということで今度は家具の雑誌を探していると、北欧スタイルの家具の雑誌が目に入った。

 …ピンクの家具とかもいいけれど、こういうシンプルで木材を多用した家具で統一するというのも悪くなさそうだ。きっと私、響に似合うであろうし、だれかを招くことがあっても恥ずかしくない。
 ファンシーな部屋とはちょっと違うけれど、かっこいいし、何よりシンプルで良い。こういう部屋で酒を飲む響ボディもきっと絵になるだろう。…ただ純正の北欧家具を買おうとするとお値段が素晴らしいことになる。それこそ貯蓄をすべて使っても足りないくらいだろう。よし、そこらへんは一度家具屋にいくしかない。そこで北欧っぽい家具で安いのがあるかもしれない。物は試しだ。



「北欧の家具は20万ぐらいを目安に用意していただけると、そこそこのものが揃えられますよ」
「予想はしていましたけれど高いですねー…」
「どうしても輸入品になりますからね。上をみればそれこそテーブル一つで20~30万というものありますから」

 早速家具屋に来てみたところ、見事な轟沈だった。今の状態で20万の出費はできない。

「北欧風となるといくらぐらいになりそうですか?」
「そうですねー…北欧風となっても、材料はさほど変わらないので安くそろえても10万ぐらいかと」
「そーですかぁ」
「ええ、あとは木目調のコーティングなどをした安価な北欧風家具、というのもありますが…結局1年ぐらいで破損してしまうので、そうなると結局最初から20万ぐらいの家具でそろえたほうが良いかと思います」

 やはりハードルが高そうだ。うん、今は北欧風家具を諦めるとしよう。と、なると当初の予定通り女の子のような家具を探すしかない。とはいっても、動かすのが難しい家具、本棚やテーブルはそのままだ。変えるのはカーテンやカーペット、あとは寝具一式に小物入れといった消耗しやすい部分のみに限定する。

「わかりました…。あ、では、カーテンとかを一度見せてほしいのですが」
「良いですよ。こちらの棚が…」
 
 つまり、最低限の金額で抑えて、後で好きなものを買う算段だ。よし、あとは店員さんと相談しながら統一感を出してみるとしようかな。

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