スーナ、兵士の査察に出る。
第3星域の事務仕事をこなすスーナはソルベの部下から多大な信頼を得始めていた。当初はサイヤ人の小娘と侮られていたスーナだが、仕事ぶりを見た兵士達はタダ者ではないと噂が出ていた。
「スーナ様、こちらが本日の資料となります」
「ありがとうございますタゴマさん」
中でもタゴマはスーナの側近のように事務仕事の補佐をしていた。
「スーナ殿、フリーザ様に報告などは……」
「ええ、書類のチェックもしましたが問題は無さそうですね」
第三星域の参謀であり、責任者のソルベもスーナの仕事を見て、たかがサイヤ人と見下すことは止めて、対等に接していた。
実は他の星域でも同じような事が起きていた。当初はフリーザの権威を笠に好き勝手をしているサイヤ人の小娘と思われていたが、実際の仕事ぶりを見ると考えを改めるのだ。
しかし、中にはスーナを認めない者も居る。
「おのれ……フリーザ様のお力で此処に来ているくせに調子にのりおって……」
こそこそとシャーベはスーナ達の話を盗み聞きしていた。それと言うのもシャーベはスーナを目の敵にしているからだ。スーナの仕事を見ていたが、所詮はフリーザの権威を笠に着ていると未だに思っていた。
しかし表立ってスーナを害すれば、上司であるソルベの面目は潰れるし後輩のタゴマにも示しはつかない。
「どうでしょうスーナ殿。事務の仕事も結構ですが兵士達の仕事を見てみては?」
「そうですね……他の星域では兵士の皆さんの戦闘は見てなかったので視察をするのも良いかもしれません」
「ほほぅ……こりゃ好都合だ」
ソルベとスーナの会話をスカウターで盗み聞きしていたシャーベはニヤリと笑みを浮かべた。これはチャンスだと。
ソルベとスーナの話し合いから二日後。スーナはソルベ達に同伴して侵略する惑星に降り立った。
「スーナ様、この惑星には強い戦士はいません。強くても戦闘力500が良いところでしょう」
「それでも私よりも強い人達が多いですね。私の戦闘力は250程ですから」
タゴマは大した惑星ではないとスーナに説明するが、スーナの戦闘力は250程であり、実際に戦うとなれば危ないであろう。
「ご心配なく。我等が護衛します故、スーナ殿は心置き無く査察されるが良いでしょう」
「おお、シャーベ。お前が護衛を買って出てくれるか」
説明に加わったのはシャーベだった。にこやかに笑みを浮かべながら護衛を申し出て、ソルベも自身の陣営で一番強いシャーベが護衛に付くなら問題は無い筈だと喜んだ。
そんなソルベに見られないようにシャーベはニヤリと笑みを浮かべた。
◆◇◆◇
一方、第三星域に向かうフリーザ軍の中型宇宙船が居た。
「ギニュー隊長……流石にスーナ様を迎えに行くのは親バカが過ぎるのでは?」
「何を言うか馬鹿者!娘を迎えに行くのは親の特権だ!」
スーナの迎えに付き合わされている兵士のアプールは、中型宇宙船を操縦しながらギニューの行動に呆れていた。
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