第2話
魔法戦は実際に起きたという莉亜の主張。しかし、現場が修復されたのならもう1つの仮説が立てられる。
「莉亜、残念だけど君の主張を否定するよ。僕は魔法戦が行われなかったと言わせてもらうよ。」
「どういう意味?なぜそんな主張がまかり通るの?」
莉亜は驚きを隠せなかった。
「薫様が使ったのはシュレディンガーの猫箱です。箱を開けるまではどちらの説も真実となります。」
「めんどくさい。どちらも真実なら赤でどちらも宣言できるということか。」
莉亜はさらにおぞましいオーラを出し始めた。そして莉亜は立ち上がって叫んだ。
「ヘルケイズ卿、アルクレア卿、ご覧になっていますか?私はヘルケイズ卿と友人になりたい!だからこそ今ここでクロノエル卿を切り捨てます!私の覚悟もご覧ください!」
アルクレアという名を聞いて驚いた。他にも魔女がこのゲームに関わっているのがよく分かった。その瞬間、クロノエルが入室してきた。
「莉亜!今なんて言ったの?アルクレア卿?ヘルケイズ卿?まさか大魔女のお二人までこのゲームに手を出したと言うの!」
「クロノエル卿の後見人は確か、希望の魔女シャンベリア卿でしたよね。どうやらこのゲームの傍観者は4人のようですね。きしし、私は今からヘルケイズ卿を楽しませるためにこのゲームを紡ぎます。」
その時、莉亜の姿が変わり、ドス黒いドレスに大きな赤いリボンに変わった。
「屈辱の魔女リアボリスは第3ゲームのゲームマスターとして復讐してやる!」
「くっ、裏にあの魔女がいるなんて、私に手出しが出来ないなら今回は私も大人しく観劇させてもらうとするか。うふふ。黒月の魔女を裏切ることは許すわ。でも、魔女になったのなら負けは許されないことを知るがいいわ。きゃーはっはっ!」
そうしてクロノエルは退出した。自信満々に莉亜は言った。
「薫さん、今度からは私のことを屈辱の魔女リアボリスと呼んでください。そして、ここに宣言します。あなた達は私に屈辱を与えられるだろう。」
「なかなか面白い展開になってきたね。バアル、イポス、アイム、新しい魔女のリアボリス卿に失礼がないようにしよう。」
「かしこまりました。」
「主人の仰せのままに。」
「承知いたしました。」
リアボリスは言った。
「今ゲームの進行を中断しました。それと傍観者にも見られないようにしました。」
「なぜそんなことを?」
リアボリスは振り返って涙を浮かべた笑顔で言いました。
「この私のゲームに付き合ってくれてありがとう。『私は全てを生まれた時から嫌って恨んで妬んできました』だから双子の妹もいつか恨む時が来たでしょう。いつもそれを嘘偽りで隠してきました。だから、屈辱と復讐と憎悪の魔女になるのは必然的なことです。それでも、これであらゆる苦しみを背負ってきた私は魔女として解放される。元お師匠様のゲームに付き合ってくれてありがとう。」
そこで話は途切れ、再びドス黒いオーラを放ち始めた。
「でもこれじゃあ、私らしくないね!復讐の魔女として復讐する!屈辱の魔女として屈辱を味わわせてやる!さぁ、ゲームの再開だ!私の第1の殺人をとくと見よ!」
僕達はとんでもない奴らを相手にしてることに今気がついた。魔女側も大きな思いを胸に、苦しみながら戦っているのを知って少し同情の気持ちが芽生えた。しかし、手を抜く気は無かった。
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