裏お茶会
魔女達は喫茶室に集まっていた。
「うふふ。まさか、リアボリス卿があそこまでやれるなんてね。見直したわ。」
「アルクレア卿。お褒め頂き恐縮です。」
「でも、詰めが甘いですよ。最後にはバアルにトドメを刺されそうになってヒヤヒヤしましたよ。」
「それは仕方なかったんですよ。クロノエル卿からの指示だったのでね。もう少しゲームを盛りあげろと仰せだったのですよ。」
「うふふ。お陰でまだ退屈せずに遊べそうだわ。」
その時、魔女の2人が遅れてやってきた。
「遅れて悪かったわね。ベルンがなかなか出てきてくれなくてね。」
「仕方ないでしょ。色々準備に時間がかかるのよ。」
「ラムダデルタ卿、ベルンカステル卿、今日はお越しいただき誠にありがとうございます。」
クロノエルは来客に頭を下げて挨拶した。
「別に頭を下げなくてもいいわよ。今日はクロノエル卿主催のお茶会に顔を出したかっただけだからね。」
「私達は部外者だから少し過去のゲームを見させてもらったら帰るつもりよ。」
「少しゲームに手を出しておきながら帰るとは。まぁ、本気で手を出して無いのなら帰ってもらった方がこちらにはやりやすいから構わないけどね。」
それからメンバーが集まりお茶会が開始された。
「まずはメルヘリア卿のウィッチガーデン設立を祝うとしよう。おめでとう。」
「祝福の魔女を祝福していただきありがとうございます。」
「クロノエル卿、第4ゲームは誰がゲームマスターを務めるのかしら?」
「次のゲームマスターはメルヘリア卿とリアボリス卿に任せるつもりだ。私は多分黒月の魔女として完成するだろうけど、状況が悪くならなければ動く気は無いわ。」
全魔女がホッと吐息をついた。
「うふふ。クロノエル卿。ホワイペルン卿は動く気がないからゲームを最後まで見届けてくれるだろうけど、 アルクレア卿とヘルケイズ卿には気をつけた方がいいわ。」
「それは私からリアボリス卿とメルヘリア卿にも言えることです。元老院の大魔女たるヘルケイズ、シャンベリア、 アルクレア、ベルンカステル、ラムダデルタはあなた達では絶対に勝てない最上位の魔女です。気をつけてください。」
言われなくても気をつけるわよ。
「シャンベリア卿。ご忠告ありがとうございます。」
「ヘルケイズ卿。ご忠告感謝します。」
ヘルケイズとシャンベリアはアルクレアを見つめた。
「アルクレア卿。嫉妬の魔女であるあなたは動かないのですか?」
「私が嫉妬するくらいの駒をすでに動かしています。500年を生きている私に愛の力を見せてもらって楽しませてもらってます。」
その駒が誰なのか。クロノエルとリアボリスとメルヘリアには分かった。
「アルクレア卿。まさか、その駒というのは薫なのではあるまいな。」
「そのまさかよ。ひゃーはっはっ!あの子はとてもいい駒よ。そのうち面白いことが起こるわ。楽しみにしてなさい。」
そう言ってアルクレアは席を立った。
「私はそろそろ帰らせてもらうわ。お茶は十分に飲んだし、今後のゲームを予想して嫉妬を楽しみたいからね。」
そうしてアルクレアは退場した。
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