7話 牡丹の花の悲劇
たくさん花を摘んで,スカーレットファミリーは家に帰りました。
「たくさん摘めたねー!」
レミリアはぴょんぴょん跳ねながらクレアとレンドアールにニコニコ笑う。
「そうだね!お家に飾ろうか!」
とレンドアールは花瓶に花をさす。
「………………………」
さっきからクレアは何故か,なにもしゃべらない。
「お母さま??」
レミリアは心配そうにのぞきこむ。
「実はね、レミリアとお父さまに秘密にしてたことがあるの…それはね……」
『それは……!?』
レミリアとレンドアールはフレアを見つめる。
「なんと!レミィに妹ができました!」
「本当かいっ!」
レンドアールは嬉しそうにそしてとびっきりの笑顔でクレアを見つめる。
「いもうと…それじゃあレミィ、おねーさまになるのっ?」
レミィは目を輝かせながらフレアに聞く。
「そうよ!お姉さまになるのよ!新しい家族ができるのよ♪」
「……!それじゃあ、いもうとが来るまでにレミィ,早起きも、お料理もがんばるっ!」
レミリアは立派な『お姉さま』になるため頑張ることにしました。
「おやおやレミィ頑張るんだよ!」
レンドアールはニコニコ笑った…
パサッ…さっき摘んできたばかりのはずの牡丹の花が儚く,悲しげに落ちた。
……この頃から牡丹の花は知っていたのかもしれない。私たちスカーレット家に起こる悲劇を。悲しみを。
――――7か月後――――
とうとう出産の日がやってきた。
レミィはワクワクしながら、レンドアールと手を繋ぎ病院に来た。
「お父さま!『いもうと』と『お母さま』まだかな~!」
「レミィ。お母さまは今,頑張ってるから待っとこうね。」
「うんっ!」
レミリアは元気にうなずいた。
「スカーレットさんっ!レンドアール・スカーレットさんいませんか!?」
看護師さんが大声でレンドアールを呼ぶ。
「えっ!はい!レミィ、少しここにいてくれるかいっ!少し呼ばれてるから!」
「うんっ!レミィ、待っとくよ!」
レミリアはちょこんと病院の椅子に座り、レンドアールを待った。
「レミリアちゃん…看護師さんについてきてくれるかな?」
「お父さまは?」
レミリアは心配そうに看護師さんに聞く。
「……………少し疲れてるみたいだから、先にお母さまに早くあってあげて!お願い!」
看護師さんが必死に叫ぶ。
「………?分かりました!」
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