ハーメルン
大海原に転生してスキマ妖怪
スキマ妖怪が海軍本部へ!そして入隊

私は数百年間住み続けた島を離れ、ガープ達が乗って来た軍艦の甲板にスキマから取り出した自作の木製の椅子3脚とテーブルを置き、ガープとクザンと一緒にお茶とお菓子を食べている。意外に美味しいガープが持って来た煎餅を食べているとガープが私のスキマについて質問してきた。



「それにしても紫。お前さんの使うその目ん玉だらけの妙なもんはお前さんの悪魔の実の能力か?」


「もう、これで二度目よ?私は悪魔の実の能力者じゃないわ。スキマ妖怪よ」


「じゃあそのスキマ妖怪ってのはなんなんだ?俺は聞いた事ねぇが」



私はお茶を飲みながらガープとクザンにどう説明しようか考える。別に言っても構わないかもしれないが、スペルカードや弾幕は兎も角、『境界を操る程度の能力』は絶対に言いたくない。これから先海軍には世話になるが、何か自分に危害を加える。または私の能力を利用しようと言うお偉いさんがいた場合すぐに海軍辞めて海賊なり賞金稼ぎなり適当になるつもりでいるからだ。
ただ種族か・・・・これが問題なのよねぇ。正直この世界に妖怪がいるとは思えないし、説明したところでクザンは兎も角ガープが解るかどうか微妙なのよ。



「う〜ん、そうねぇ?先ずは妖怪と呼ばれる種族については解るかしら?」


「あん?いや、知らねぇな」


「妖怪って言うのは人間が理解出来ない不可思議な現象を起こしたりする非日常、非科学的な存在の事で、私もその種族の内の1つなのよ」



私の簡単な説明を聞いてクザンは腕を組んで思案し、ガープは・・・・予想道理全く解らなかったのか鼻提灯を出して眠ってる。



「・・・・てこたぁ、紫みたいな奴が他にもいるのか?」


「まぁもう私だけかも知れないけど沢山居るわよ?人間を喰い、喰った人間の骨を自分の体に加える巨大な骸骨。体を切断され他人を同じ目に合わせようと徘徊する上半身だけの少女。水難事故で他界した霊が怨霊となり、人間を自分の仲間に引き込もうと船に水を入れる幽霊とかいるわよ?
(一応人魚とかも妖怪に含まれるけど何故かこの世界では違うみたいなのよね。精々魚と話せる程度らしいし?)」


「わぁー!!わぁー!!聞きたくねぇ!!特に最後のやつがおっかねぇ!!」



あらあら、流石の未来の海軍大将様もやっぱり人間ね。一部の妖怪や怨霊にビビっちゃって。
あ、因みに私の妖怪知識は生前趣味で調べたわ。紫みたいな妖怪がいるのかと思って調べてみて予想よりおっかないものばかりだったのは苦い思い出ね。


「じゃ、じゃあその・・・・紫のスキマ妖怪ってのは何をする妖怪なんだ?」


「ん〜、主に神隠しとかね」


「神隠し?」


「人間が突然行方不明になる現象の事よ。・・・・・・何私を見て石化したみたいに固まってるのよ?一応言っておくけど今のところ神隠しに遭わせてやったのは海賊だけよ?」



私がジト目でクザンを見てやると慌てて謝ってきた。確かに驚かせたのは悪かったけどそこまで引かれるとなんか傷付くのよね。
私が気を取り直してスキマを開いてガープの部屋にある煎餅をもう1袋取り寄せてて食べていると、海兵が1人手にアフロを乗っけて眼鏡をかけたカタツムリ・・・この世界で有名な電伝虫を乗せた台を持って駆け寄って来た。

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