スキマ妖怪がシャボンディ諸島で少女を勧誘?
「ん〜!終わったわ〜。藍?そっちはどうかしら?」
「すみません紫様。まだ5枚程書類が残っています」
マリンフォードにあるガープの執務室にて中尉に昇格した八雲 紫と正式に紫の専属部下となった式神の八雲 藍が書類整理をしていた。しかしコレは紫の物でも、ましてや藍の物でもない。既に日常化しているガープのサボり癖のせいで回って来たガープの仕事である。紫は山の様な書類の束を片付け、藍も後3枚という所まで書類を片付けていた。
「それにしても、何故ガープ中将の仕事が紫様に回って来るのですか?あの人本当に海兵の中将が怪しくなってきたのですが?」
「ガープはアレでも実力はあるし、『海軍の英雄』と呼ばれる程海兵達からの信頼は厚いからコング元帥も辞めさせる訳にはいかないのよ。だから仕事は一応部下に当たる私達がやっている訳」
「あの人確かに人間にしては強かったですね。以前いきなり殴り掛かってきた時は紫様に教わった弾幕とスペルカードでなんとか勝てましたが数発拳を受けてしまいましたし・・・」
「藍?それ私初耳なのだけれど?全く何人の式に殴り掛かっているのよあのガキは・・・?」
紫は頭に手を当てやれやれと首を振った。
本当に何考えているのか分からないわぁ。それより話だと藍ガープに勝っちゃったのよね?ガープが手加減・・・する訳ないわね。だとしたら数発受けたけどガープに勝利したのよね?私の知らない所で強くなってるのねぇ。
紫は席を立ってやっと書類を全て片付けた藍に近付き頭を撫でた。
「ちょ!?ゆ、紫様!!?どうしたんですか急に!?」
「よくガープに勝ったわね。流石は藍。自慢の式神だわ♪」
「あ、ありがとうございます・・・・」
藍は頰を赤らめ毎日のブラッシングを欠かさない自慢の9本の尻尾をパタパタ左右に振り、嬉しそうに紫に撫でられていた。紫は藍が満足するまで撫で続け、手を離した。藍は少し残念そうではあったが、すぐに切り替えて元に戻った。紫はそれを見て100点ねと呟いた。
うんうん、仕事とプライベートは切り替えがちゃんと出来ているわね。
紫は電伝虫でコング元帥に仕事を済ませた事を報告し、外出許可を得た。
「さてと、藍。出掛けるわよ。準備なさい」
「外出ですか?いったい何処へ何をしに?」
「ちょっとした散歩よ。場所はそうねぇ・・・シャボンディ諸島よ」
藍はシャボンディ諸島の『シャ』の辺りでもの凄く嫌そうな顔をした。
「シャボンディ諸島ですか・・・私はあの島が苦手なのですが?」
「大丈夫よ藍。あの島は意外に料理が美味しいし、少しはマシな島だから。それに藍が嫌っているのは『天竜人』の連中でしょう?会ってもスキマに入ってガン無視すればいいわ」
実は以前仕事で紫と藍はシャボンディ諸島にて天竜人に会っているのだ。その態度、行動、喋り方に至るまで終始作り笑いを浮かべていた紫達の殺意を引き出すには十二分だった。一緒に仕事をしていたボルサリーノ中将は紫と藍の隠された濃厚な殺意を感じ取り、2人が天竜人を絶滅させないかと割と本気で心配した程だ。
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