ハーメルン
大海原に転生してスキマ妖怪
スキマ妖怪が海軍基地に調査に行く

「ハァ!!ヤァ!!フッ!!」


「ダメよステラ。声は極力出さないように急所を狙って刀を振りなさい。そんなんじゃまだまだ弱いままよ?次は藍の弾幕を躱す訓練よ。手加減はされてるけど本気でかかりなさい」


「ハァ・・ハァ・・は、はい!了解しました!」



ステラが海軍に入ってから紫の日課にステラの訓練が追加された。最初はかなり弱っていた為しばらく入院し、退院してから紫の指導の下ステラは訓練の日々を過ごしていた。彼女は武器を持った事ない素人だったが、刀を持たせると思ったより良い動きをしたのでそのまま紫と藍が鍛えると数ヶ月で実力だけなら少佐並みには強くなった。彼女の意志の強さの賜物だろう。



「では私の番だな。手加減はしてやるがお前は手加減するなよ?」


「分かっています。正直お2人に勝てる気がしないですから」


「私は兎も角紫様には誰も勝てんだろう。行くぞ!?」


「はい!今日こそは躱し切って一撃与えます!」



その言葉を合図に藍はスペル無しの簡単な弾幕を展開してステラを狙う。ステラはそれを躱し、刀で斬り、時に被弾しながらも藍に接近して行った。紫が離れた場所で見ていると、珍しい事にクザンとボルサリーノが一緒に歩いて来た。紫は2人を見つけると意外そうな顔をした。



「あら?珍しいわね。貴方達が2人でいるなんて」


「いや、俺達はさっきそこでバッタリ会ったのよ。こいつもお前が連れて来たステラって嬢ちゃんの成長速度に興味があるってよ」


「そうなんだよねぇ〜。あの子入って数ヶ月なのに攻撃は重いし特に攻撃を躱すのがズバ抜けて上手いからどんな訓練してるのかと思ったんだけどぉ〜・・・あんな事してたら上手くなるよねぇ〜」



2人は藍の弾幕を躱しては斬るを繰り返すステラを観ながら納得した表情をしていた。紫は自分が育てているステラがそんな風に評価されてるとは思っていなかったが、コレはステラの努力の成果だ。



「にしてもアレだなぁ?あんな可愛い嬢ちゃんが元奴隷だったんだろ?入隊動機を聴いた時は何人か涙ぐんでたぜ?結構いい子じゃあないの」


「そうよねぇ。私も彼女の彼氏探しは手伝っているのだけれど、奴隷の数が多過ぎて見つからないのよ」


「そうだよねぇ〜・・・奴隷は日に日に増えてるからねぇ〜」



そんな話をしていると藍の弾幕がステラに命中し、数メートル程吹き飛ばされた。藍はフワリと着地し、ステラの治療に取り掛かる。手加減して非殺傷弾幕にしていても痛い。ステラは肩で息をしながら治療してくれている藍に礼を言った。クザンとボルサリーノは自分の仕事をする為に戻って行き。紫も藍とステラに近付いていった。



「2人共お疲れ様。なかなかいい動きをするようになったじゃないのステラ。でもまだ視野が足りてないわね。訓練でゼファーに覇気も特別に習ってるのでしょう?」


「ふぅ〜・・・は、はい。でも武装色は上達しましたけど見聞色の覇気はイマイチなんですよ。それに位置や数が分かってもあれだけの数は大将でも無理ですって」


「まぁ私達海軍の英雄倒しちゃってるものねぇ。あのサボリ魔は性格はアレだけど実力だけは確かだから・・・実力だけ」

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析