ヴェストリの広場の決闘
「諸君、決闘だ!」
才人と直哉が広場に来たとき、そう言ってギーシュが薔薇の造花を掲げ周りからは歓声が沸き起こる。
「ギーシュが決闘するぞ!相手はルイズとナオの使い魔の平民たちだ!」
広場に集まった野次馬の貴族の生徒たちがそう騒ぐ。そしてギーシュは才人と直哉を見て
「とりあえず、ふたりとも逃げずに来たことは褒めてやろうじゃないか」
と、ものすごいどや顔でそういうギーシュ。なんだろうやっぱ思いっきり殴ってやりたい。すると俺の隣にいる才人が
「誰か逃げるかよキザ野郎」
「右に同じだ。敵前逃亡は士道不覚悟なんでな」
俺と才人は腕を組んでそう言うと
「ふ・・・そうか。では、始めるか」
と、そう言いギーシュが花形の杖を振りかざそうとしたとき
「やめてギーシュ!」
と、そこへルイズとナオがやってくる。そしてルイズは
「ギーシュ。いい加減にして!大体ねえ、決闘は禁止じゃない!」
「禁止されているのは、貴族同士の決闘のみだよ。平民と貴族の間での決闘なんか、誰も禁止していない」
ルイズは言葉に詰まる。
「そ、それは、そんなこと今までなかったから・・・・」
「ルイズ、君はそこの平民が好きなのかい?」
ルイズの顔が怒りで赤く染まった。
「誰がよ!やめてよね!自分の使い魔とナオの使い魔がボロクソにされるのを、黙って見ていられるわけないじゃない!」
「ボロクソって‥‥」
「酷い言われようだな・・・・」
ルイズの言葉に俺と才人は苦笑いをする
「ルイズ。君が何度抗議しても、すでに決闘は始まっているんだよ」
と、そう言いギーシュが杖を振り上げ花びらが二枚、宙に舞ったかと思うと、それは、甲冑を着た女戦士の形をした人形になった。大きさは人間と同じぐらいだが、金属・・・・いやあれは青銅か。まあ、とにかく固いもので出来ていた。
「自己紹介が遅れたね。。僕の二つ名は『青銅』。青銅のギーシュだ。したがって、青銅のゴーレム、『ワルキューレ』がお相手するよ。それと僕はメイジだから魔法で戦うけどかまわないよね?」
その言葉に俺はうっかり忘れてた。相手が魔法使いであることに。するとそのワルキューレが俺と才人に向かって突進してきた
「来るぞ才人!」
「おう!」
俺の言葉に才人は頷き、俺はその青銅人形の最初の一撃を躱す。だが、才人はよけ遅れたのか腹に一発喰らう
「ぐっ!!」
才人は腹を抑え込んで蹲る。
「才人!大丈夫か!?」
「だ、大丈夫。ちょっと油断しただけだから・・・・宮藤さん!また来ます!!」
「え?うわっ!!」
才人の言葉に俺は前を見るとワルキューレが俺に拳を振り上げ俺は柔道の技でそれを躱しワルキューレを転ばす。まさかここで予科練の時に習った柔道が役に立つなんてな・・・・だがさすがに素手で青銅でできた相手を倒すのはちょっと難しいな・・・・さて、どうするか。そう思い、俺は才人の方を見るとルイスが駆け寄っているんを見た。
「これでわかったでしょ才人。平民はメイジには勝てないのよ。」
ルイズがそう言うと才人は無言で立ち上がる
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