ドラゴンボールZ【魔を滅する転生龍】っぽい噺――理を乱す対価 悟空とギネの奇妙な再会
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「見付けたぞターレス」
「誰だ、貴様は?」
「僕はユート。ターレス、お前を捜していた」
「なにぃ?」
フリーザ軍で採用されている防護服に身を包んでいるソイツは、見た目にまるで孫悟空の様な容姿。
顔色が悪い悟空と云われれば成程と納得してしまいそうな、そんな顔ではあるが目は邪悪そのものだ。
腰に巻き付いているのはベルトや布の類いでなく、サイヤ人の証だとも云える猿の如く尻尾。
つまり、ターレスというのはサイヤ人の生き残り。
その周囲には橙色な大男にマシンチックな男にチビな双子にイヤリングなどを身に付けたキザったらしい男など、五人の配下を引き連れているターレスは宇宙を転々とし、神精樹の種が根付く惑星を捜しては植える事で神精樹の果実を実らせて食らってきた。
神精樹が根付けば惑星は全ての養分を奪われる為、砂漠の星となり果ててしまうが故に、惑星を使い捨てながら神精樹を実らせている訳だが、この神精樹の実は本来だと神しか食する事を許されていない。
食らえば戦闘力がアップする為、ターレスと配下は躊躇いも無く惑星を犠牲にしてきたのである。
とはいえ、現段階に於けるターレスの戦闘力など、ベジータの十倍程度のものでしかない。
数値は一九〇〇〇〇。
元が下級戦士に過ぎなかった事を鑑みれば、大した飛躍と云えなくもないのだろうが、ユートから見れば所詮はフリーザの第一形態にも及ばない雑魚。
老体スラッグの方が余程強かったくらいだ。
【地球まるごと超決戦】で神精樹の実を二回も食べて漸く、フリーザの第一形態を越えたらしい。
つまり、今はどう足掻いても雑魚でしかないと。
「まったく、雑魚いクセに捜すのに苦労させられた。お陰でベジータ戦を観られなかったじゃないか」
「ベジータ? 王子か」
ターレスも下級戦士だったとはいえサイヤ人だし、ベジータが生き延びていたのは知っている。
馳せ参じなかったのは、最早従う気が無いからだ。
神精樹の実を食らい続けてベジータなど疾うに越えており、サイヤ人であるからには自分より弱い者には付いていかない。
そういう事だろう。
ユートは第二三回天下一武道会から数年間、悟空の家に新婚生活を邪魔しない程度に居候をしながらも、宇宙でターレス一味を捜しては飛び回っていた。
ビーデルをルーシェという偽名で、仮面を着けさせた状態で紹介をして別に建てた家での性活を営んで、その上で宇宙中を捜し回っていたのだから、時間とかは可成り掛かっている。
仮面に付いては聖闘士という集団の見習いだから、仮面の下を見て良い存在は愛する相手か家族だけだと説明をしている。
実際、戦闘力がナッパ並になれば星聖衣を与えてやる予定だったし、聖闘士見習いというのもある意味で云えば嘘ではない。
正確には星闘士か?
「俺を捜していたというのは何故だ?」
「抹殺する為さ」
「抹殺だと? 誰に頼まれて俺の抹殺を企てた?」
「閻魔大王だ」
「な、何だと?」
「正確に云えばお前だけじゃない。スラッグやクウラの名前は知ってるだろ?」
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